宣戦布告
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・・ねぇ、ルーシィ」
「ん?どうしたの?」
と、本宅を出てからずっと無言だったルーが口を開く。
ルーシィがルーに目を向け首を傾げると、ルーの黒い目がルーシィを見つめる。
「僕がルーシィの事好きでいても、迷惑じゃないよね?」
「・・・え?」
「僕、ルーシィの事ずっと好きでもいいんだよね?」
突然の言葉にルーシィの思考がストップした。
そりゃそうだろう。
だってこの言葉、ルーからすれば疑問を投げかけた事になるが、ルーシィからすれば・・・
(それってもう、告白じゃない)
が、そんな事に全く気づいていないのがこの空気クラッシャールーで。
ルーシィは急いで思考を再起動させ、口を開く。
「何でそんな事聞くの?」
「だって僕、ルーシィの事好きだから」
「!?」
どストレートで来た。
さすがにルーも自分の発言に気づいているのか、照れくさそうに頬を赤く染めている。
「笑顔で、元気で、ツッコみ上手で、将来の夢は小説家で、星霊魔導士で、時々残忍で、本が好きで、純情で、何にでも一生懸命で、色気が無くて、優しくて、笑顔の似合うルーシィが大好きだよ」
時々貶しているような発言もあるが、まぁそれは置いておいて。
ルーの武器であるいつもの愛らしさと、微量の大人っぽさと、ルーシィの知らない、人を引き付け魅了する雰囲気が混ざった笑みを浮かべ、ルーはルーシィを見つめている。
その笑顔はまるで、魔法ではない無自覚の魅了の様で。
(これ・・・無自覚だったらタチ、悪いわよ)
ルーシィは家出してギルドに入るまで、異性同棲問わず友達がいなかった。
その為、恋愛は未知の世界なのだ。
「ルーシィは?」
「え?」
「ルーシィは僕の事、嫌い?」
フッと、いつもの子供っぽさがルーから煙のように消える。
そういえば年上だったな、とルーシィが思っている間にも、ルーはルーシィに一歩近づく。
距離の近さに気づいた時には、ルーは首を傾げていた。
「・・・嫌い、かな」
「き、嫌いじゃないよ!」
しゅん、と落ち込むルーに、慌ててルーシィは言う。
一瞬子犬の耳と尻尾が見えたのは多分気のせいだろう。
と、それを聞いたルーはぱぁっと笑顔を浮かべる。
「じゃあ、好き?」
「え?」
再び思考がショートし、今度は先ほどより早く再起動する。
キラキラとした目でルーシィを見つめるルーに、ルーシィは少し考えてからゆっくり口を開いた。
「・・・解らない」
「?」
「あたしはルーが好きだよ。でもそれはルーの『好き』とは違う、仲間としての『好き』なの。だから・・・解らない」
それがルーシィの答えだった。
ルーはそれを聞いて少し考えると、微笑む。
「じゃあ、覚悟しといてね?」
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