宣戦布告
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。
ジュードは目を見開き、ルーシィはそんな父親に背を向ける。
「さよなら、パパ」
そう言い残し、ルーシィは扉の外へと消えていった。
部屋にはジュードとルーが残る。
「・・・君は、行かないのか?」
驚愕しながらも口を開くジュードをルーは見つめ、扉に向かって歩き・・・足を止めた。
そんなルーを怪訝そうに見つめるジュードに、ルーは口を開く。
「ルーシィ、泣いてた」
突然の言葉にジュードは特に反応を示さない。
「ファントムとの抗争が自分のせいだって知った時・・・それでもギルドにいたいって、泣いてた」
そう言葉を紡ぐルーの声にいつもの明るさはなく、真剣そのもので。
まるで・・・銃を握っている時のもう1つの人格のルーのように。
「抗争の間だって怖い事いっぱいあったはずなのに・・・終わるまで、泣かなかったんだ」
ルーの表情は読めない。
俯いているし、エメラルドグリーンの髪がルーの顔を覆い隠しているし、何よりジュードに背を向けている。
「アンタさ・・・自分の娘をこんなに泣かせて、しかも自分の商売に利用しようとしてるんだよ?自分のやってる事、解ってるの?」
「な、何を・・・」
「確かに僕は他人だよ。ハートフィリアの家には全く関係ない。でも、アンタは否定できないよ。だって自分で言ったでしょ?ジュネレールとかいう家の公爵と婚姻する事で鉄道は南方に築けるって」
ルーはルーシィと違い、庶民だ。
だから、お嬢様御曹司の世界の事は何1つ解らない。
でも、解らないなら解らないなりに、必死に言葉を紡いでいく。
そしてルーは振り返り、口を開き、叫んだ。
「これ以上ルーシィを泣かせるなら、僕はアンタを生かしてはおけない!」
その言葉にジュードは再び目を見開き、震える。
そりゃそうだろう。初対面の男に「生かしてはおけない」と言われたら、誰だってこんな反応をするのではないだろうか。
「悪いけど、僕は本気だよ。どんなギルドが来たって相手になってやる。ルーシィは僕にとって、大切な人だからね」
そう言って、扉を開く。
・・・が、途中で何かを思い出したのか「あ」と足を止めた。
「そうだったそうだった・・・大事な事言い忘れてた〜」
もう呑気なルーに戻っている。
ルーはにっこりと、いつもの子犬の様に愛らしい笑顔で、ジュードを見つめた。
「迷惑だって言われても、僕はルーシィを好きで居続けるよ!」
その後、来た時と同じ服を着たルーシィとルーは祈るように手を組んだ天使像の前にいた。
その少し下の墓石に刻まれているのは『レイラ・ハートフィリア』の文字。
そしてその墓石を、ルーシィは少し悲しそうな目で見つめていた。
「・
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