暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
宣戦布告
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さあさあ、旦那様にお会いするのにそんな御古物じゃいけませんよ。お連れ様も」
「そんなのいいのに・・・」
「これ、新しい方だよ?」









その後、髪をアップにし桃色を基調としたドレスを身に纏ったルーシィは、本宅の書斎の前にいた。
その横にはダークグレーのスーツを着たルーがいるが、これでもかというほど似合っていない。
本人も堅苦しい恰好は嫌いらしく、やけに落ち着きが無かった。
・・・元々落ち着きのない性格ではあるが。

「失礼します、お父様」

ルーシィがそう言い、ルーが扉を開ける。
ルーシィを先に部屋に入れ、ルーは後に入り扉を閉めた。
ちなみにこれはティアから「いい?部屋に入る時は女を優先するの。他の事でも。レディファーストってやつね」と教えられていたからである。
そして部屋には体格のいい、ルーシィと同じ金髪の男が1人。

「よく帰ってきたな。ルーシィ」

その男こそが、ルーシィの父親にして幽鬼の支配者(ファントムロード)にルーシィを連れ戻すよう依頼した『ジュード・ハートフィリア』だ。

「何も告げず家を出て申し訳ありませんでした。それについては深く反省しております」

ルーシィは申し訳なさそうに頭を下げる。

「賢明な判断だ。あのままお前があのギルドにいたのなら、私はあのギルドを金と権威の力を持って潰さねばならないトコだった」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)を『あのギルド』呼ばわりするジュードに、ルーの眉がぴくんと上がった。
ルーシィは目線を足元に落としている。

「やっと大人になったな、ルーシィ。身勝手な行動が周りにどれだけの迷惑をかけるのか、いい教訓になったであろう。お前はハートフィリアの娘だ。他の者とは住む世界が違うんだよ」

そう言って、ジュードはルーシィより少し後ろにいるルーに目を向けた。

「そういう訳だ。君がルーシィにとってどんな存在かは知らないが、もし付き合っているのなら諦めてくれ。君とは住む世界が違う。好きで居続けられても、はっきり言って迷惑なんだ」

自分の子でないからか、少しだけ口調が柔らかくなる。
が、ルーにとって落ち込むポイントがあったらしく、ルーは少し俯く。
ジュードはすぐにルーシィに目線を戻し、口を開いた。

「今回お前を連れ戻したのは他でもない。縁談がまとまったからだ」

縁談、という言葉にルーがピクッと反応する。

「ジュレネール家御曹司、サワルー公爵。以前からお前に興味があると言ってただろう」
「・・・言ってましたね」

サワルー公爵というのは、エバルーの様なハンプティ・ダンプティ体型で、何故か顔中に汗を掻き、どこか下心を感じさせるように手を動かし、この顔を見た10人が「あ、ブスだな」と思う顔をして
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