宣戦布告
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妖精の尻尾のギルドと同じくらい・・・もしくはそれ以上の大きさの屋敷が目に飛び込んでくる。
ここはハートフィリア邸。ルーシィの実家だ。
そしてそこに、ルーシィとルーは向かっている。
「!」
すると、使用人の女が2人に気づく。
「お、おお、おお・・・お嬢様ーーーっ!」
その女の一言で、庭師やメイドが一気に歓声を上げた。
「何じゃと!?」
「お嬢様だー!」
「お嬢様がお帰りになったぞ!」
「うわああ〜ん!」
様々な声を上げながら、使用人達はルーシィの周りに集まっていく。
「お嬢様・・・よくご無事で・・・私、お嬢様が帰ってらして、本当に・・・うぅ・・・」
「スペットさん、心配かけてごめんなさい」
スペットと呼ばれた女性は、ルーシィに抱きつき涙を流す。
普段はこれでもかというほど空気の読めないルーも、さすがに少し後ろの方でその光景を眺めていた。
「お嬢様、東方からの新書が届いておりますですぞ」
「魔法学を怠ってはいませんかな?星霊魔法は信頼と愛の魔法・・・ムニャムニャ」
「ルーシィ様」
「お嬢様」
「お帰りなさい」
「1年もどこに行ってたんスか〜」
尚もわらわらと集まり続ける使用人達。
「お嬢も年頃なんじゃい。駆け落ちの1つや2つ、のう?若さゆえの何たらってやつよ・・・」
「うんうん」
「駆け落ちじゃないですよ」
「そちらの男性がお相手じゃないんですか?」
「あ、僕は違うよ」
駆け落ちだと勘違いする使用人に変わらない笑みを浮かべてそう言うルー。
「・・・今はまだ、ね」という一言は誰にも聞こえなかった。
「ルーシィちゃま。魔法学を怠ってはいませんかな?ムニャムニャ」
「はい!それは大丈夫です!」
「私・・・私ィィィ!ぽおおおおっ!」
「ぽおー・・・て」
「あははは!」
「ルーシィちゃま。魔法学を怠っては・・・」
「ベロ爺、くどいぞ!てかお嬢様はこっちや」
「駆け落ちは罪じゃないんよ、お嬢・・・のう?」
ベロ爺と呼ばれるお爺さんは魔法学についてルーシィに聞くが、その先にいるのは涙を流すスペットだった。
そして変わらず駆け落ちだと思っているコック。
「皆、面白いし良い人なんだね」
「うん」
ルーにそう答え、ルーシィは少し目を閉じる。
(皆・・・変わらないな・・・)
すると、そこに若干慌てた様子の使用人が駆けてくる。
「お嬢様。旦那様が本宅の書斎まで来るようにと。お連れ様もご一緒に」
「僕も?」
ルーがこてっと首を傾げる。
(家出した娘が帰ってきたのに『部屋で待ってるから来なさい』か。あの人も変わらないわね)
使用人同様、変わらない父親に溜息をつくルーシィ。
「
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