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勇者番長ダイバンチョウ
第8話 男の恋は命懸け! 惚れたなら掘り抜いて見せようドリル道!
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 頼むぞ」
【おう! その言葉を待ってたぜ!】
 何時になくドリルがやる気を見せていた。惚れた女を助ける為に男は命懸けになるのだ。
 早速ドリル番長が地面を掘り始める。その後ろを軽トラック状態のバンチョウが続いて走る形で地底へと掘り進んで行く。どんな硬い岩盤でもドリル番長のドリルの前では柔らかい豆腐同然の如く砕いて掘り進んでいける。何よりも、今日のドリル番長のドリルは一味も二味も違った威力を見せてくれた。
 ドリルの性能だけじゃない。それに宿っているドリル番長の熱い熱血パワーがドリルの威力を底上げしてくれているのだ。
 そのお陰でグングンと掘り進んでいけている。
『聞こえるか木村君! 天音君は後地下20メートルの地点に居る筈だ!』
「了解しました! 急ぐぞ、ドリル」
【おうよ! 俺のドリルに砕けない岩盤はねぇんだぁ!】
 怒号を張り上げて更にドリルの回転速度を上げる。先ほど以上に早い速度で掘り進んでいく。その後ろを必死に追い掛けるバンチョウ。やはり地底ではドリルの方が早く移動できた。
【流石はドリルだぜ。地底の移動速度だったらあいつにゃ流石に勝てねぇな】
「だな、今はそれが頼りだぜ!」
 地上ではバンチョウ達の方が早い。だが、地底となればドリルの方が遥かに早く移動できる。誰しも得手不得手がある。それが今発揮されているのだ。
「もうすぐ合流地点だ!」
【おう、待っててくれぇ! 俺の初恋人よぉぉぉ!】
 思いっきり恥ずかしい台詞を吐きながら、ドリル番長が最後の岩盤をぶち抜いた。ようやく合流地点に到達できた。だが、其処には何故か天音静流の姿ももう一台のドリル戦車の姿も見られなかった。
「い、居ない? 一体何で?」
「木村さん! あっちの壁を見ろ!」
 番が指差す方。其処は人工的に掘られた空洞が見えた。大きさからして天音の操縦していたドリル戦車よりも遥かに大きい。
 もしやこの穴は何者かが人工的に掘った代物なのでは?
「まさか、天音さんは何者かに連れ去られたってのか?」
「だとしたらこの落盤事故はそいつらの仕業ってか? 俺達に喧嘩を売るたぁ良い度胸してるぜそいつ等はよぉ!」
 番の中で怒りのボルテージが上がった。何所の誰かは知らないが人の家の下で勝手な事をされるのは我慢の出来ない事だ。
【番、こうなりゃそいつ等纏めてぶっ飛ばしてやろうぜ!】
「おう! ついでにその天音さんも一緒に助け出してやらぁ!」
 結論は出た。ドリルとバンチョウは揃ってその巨大な穴へと飛び込んだ。見れば見る程見事に大きく掘られた穴だ。大きさ的にバンチョウとドリルが横に並んで走っても充分過ぎる程のスペースがある。つまり、それ程までの巨大なドリルを持った奴等がこの先に居ると言うのだろう。
 一体どんな奴等なのだろうか? 疑問と不安を胸に巨大な空洞を
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