第8話 男の恋は命懸け! 惚れたなら掘り抜いて見せようドリル道!
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きな声で帰って来た。
【実はさぁ、俺……こ、恋しちまったみたいなんだ】
【あぁ、なる程ねぇ】
【ほぅほぅ、おまんが恋となぁ……】
両隣でそれを聞き、うんうんと頷く両者。しかし、数刻の後、物凄い形相へと変貌した両者がドリルを食い入るような目で睨みつけた。
【え、えええええええ! ま、マジかぁ?】
【お、おおおおまん! 一体誰に恋したんじゃあぁぁぁ!】
皆様は既にご承知の事と思われるが、ドリル番長は見てくれどおり巨大なドリル戦車が人型ロボットへと変形した状態だ。
従ってこの星の人間とはとても釣り合いそうにない。だが、一度火がついたら止められないのが若い男の恋の炎だったりする。
例え結ばれない運命だと分かっていながらも、どうにもならずに突き進んでしまうのもまた青春の1ページに相応しいと思う昨今だったりする。
【で、その相手ってのは……誰なんだ?】
【い、一応……写真はあるんだけどよぉ―――】
良く見ると、何時しかドリルの両頬はほのかに赤く染まっていた。目元もうっとりしている。そんな気持ち悪い形相のドリルが懐から取り出したのは一枚の写真。
其処に映っていたのはドリル戦車型になっているドリルともう一台片隅に映っている見慣れないドリル戦車。そして、その前でポーズを決めている操縦者の木村さん。更にその木村さんの隣でこれまたポーズを決めている若い女性の映った写真であった。
その写真を食い入るように見たバンチョウとレッドは揃って青ざめた顔をしつつドリルから少し離れた場所で互いに小声で届く距離に近づき小言を始めた。
【お、おいレッド……まさかドリルの奴―――】
【間違いないのぉ。あいつ、あの若い女子に恋しちょるぞぉ】
【マジかよ。よりにもよって人間の女に惚れちまったって奴かぁ!?】
前にも言ったと思われるが、ドリルは機械と融合した所謂ロボットの類だ。その為人間である地球人とはどう転がっても恋が実る可能性はゼロでしかない。
ましてや結婚などもっての外と言える。第一種族からして違い過ぎるのだ。
だが、やはり一度火が点いたら止まらないのが男の恋路。それを見届けてしまった以上後押ししてやるのが男の友情と呼ぶのではなかろうか?
【ど、どうするよ?】
【此処まで聞いてしまった以上わし等にゃぁあいつの恋を応援する義務があるっちゅうもんじゃ! こうなりゃわし等で出来る限りドリルを応援しちゃろうじゃないかのぉ!】
【そ、そうだな……そうだよな!】
半ば無理やり納得してみせるバンチョウとレッド。無理に人の恋路を邪魔するよりも出来る限り影ながら応援してやろう。それが男の優しさと呼べるのだろう。
【どうしたんだよ二人共、そんなに離れちまってよぉ】
【な、何でもねぇぜ! それよりドリル、男なら一度惚れたら命懸けだ! お前のそのドリ
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