第8話 男の恋は命懸け! 惚れたなら掘り抜いて見せようドリル道!
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番町からそう遠くない工事現場。其処はかつてバンチョウとドリル番長が始めて出会い、壮絶な喧嘩を繰り広げた現場でもある。
現在、其処では大掛かりな工事が行われており、終始作業員達が忙しく働いている光景が見受けられる。
そんな工事現場に何故か番とバンチョウの姿があった。
「来たぜぇ、木村さん」
「おぉっ! 来てくれたか、番」
番が手を振りながら近づいた男性の名前は【木村 優】と言い、今年で24歳になる作業員だ。そして、彼はドリル番長の操縦者でもあったのだ。
そう、普段ドリル番長はこの工事現場にて作業を行っているのである。
そして、その番とバンチョウは木村に呼ばれてこの工事現場に訪れてきたのであった。
「んで、何だって俺達を呼んだんだよ?」
「実はドリルがなぁ……最近様子がおかしいんだよ」
「ドリルが?」
心配そうな表情で語る木村。どうやら最近ドリル番長の様子がおかしいと言うそうだ。
それには番自身も一抹の不安を感じた。ドリル番長と言えば番のダチでもあり仲間でもある。
熱いハートを持ちどんな堅い岩盤ですら掘り抜いてしまう程の度胸を持っているのだ。そんなドリルの様子がおかしいと言うのは正直只事じゃないと思われる。
「それで、ドリルは今何所に?」
「こっちだ」
木村に連れられて訪れた場所。其処は開発途中の工事現場から少し離れた整地。其処には丁度腰掛位のサイズの岩盤があり、その上に丁度腰掛けるかの様にして座っているのは我等がドリル番長だったりする。
普段ならそれ位何ら問題ないと思えるのだが、今回はどうやら様子がおかしい。
普段から元気の塊でもあるドリル番長であるのだが、何故か目の前に居るドリル番長にはその元気が欠片も見受けられなかった。
岩盤の上に腰掛けて深い溜息を吐いている。一体どうしたと言うのだろうか?
「見ての通りなんだよ。最近ドリルの奴元気がなくてさぁ……何とかならないか?」
「つってもなぁ……こんなドリルは俺も始めて見るぜ。お前は何か分かるか? バンチョウ」
【嫌、さっぱり分からん】
番もバンチョウもお手上げ状態であった。
もしや謎のウィルスにでも侵されたのではないのだろうか?
それとも何所か異常が出来たのか?
疑問は尽きなかった。と、言うよりもこの二人ではドリル番長の異常が何なのか分からないだろうし。
「しょうがねぇ、俺達じゃ幾ら悩んでても解決しそうにねぇし」
【此処はあいつを呼ぶとすっか】
分からないのならば他の奴に聞けば良い。もっと簡潔に言えば他人に丸投げする訳なのだが。
そんな訳で番とバンチョウが揃ってそのバトンを渡す相手と言えば一人しか居なかったりする。
「まぁ、そんな訳でだ。木村さん、携帯とか持ってねぇか?」
「ん? あぁ、持ってはいるが……一体誰を
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