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東方攻勢録
第十一話
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「古明地さとり……貴様、いつの間に!!」

「そんなに私が厄介かしら……あせってるのが丸見えよ?」


さとりは兵士を睨みつけながらそういった。兵士も負けじとにらみ返すが、その顔にはあせりの色と冷や汗がうっすらと浮かび上がっていた。


「くそっ! さっさと始末しろ! 命令だ!」


男の声に反応し、お空は照準をさとりに合わせる。だが、さとりは表情をくもらせることなく、彼女をじっと見つめた。


「お空……もう大丈夫……大丈夫よ」

「……」


お空に呼びかけるも、彼女の制御棒には少しづつエネルギーがたまっていく。男が必死にキーボードをたたいているのを見ると、かなり制御が加わっているのだろう。

幸いにも、彼女はそれをさとりにむけて発射しようとはしていない。しかし、いつ発射されてもおかしくはないはずだ。

それでも、さとりはお空の心に語りかける。


「苦しい……私が目の前にいるから? 私に攻撃するよう命令されてるから? ……どれもちがうわね。あやつられても……あなたは心のどこかで自分を責めてる」

「……」

「私を……私たちを守れなかったから。こんな方法でしか守ることができなかったから。そうよね……お空?」

「……」


お空の表情がゆがみ始める。


「でもそれは間違ってる。あなたを守れなかったのは私のほうなのよ?」

「ちっ! おいお前ら! あいつを撃て! 殺してもかまわん!!」


なにか危機を感じたのか、男は周りの兵士たちに命令を出す。

だが、攻撃しようとした兵士達は、なぜか呆気にとられたままあたふたしていた。


「おい何をしている!」

「それが……武器がありません」

「なっ……!!」

「お姉ちゃんの邪魔はしないでほしいなぁ」


そう声をかけたのは、妹のほうだった。


「貴様何を……!!」


こいしの足元には黒い武器が何十個も落ちてある。誰が見てもわかる……さっきまで男たちが握っていたはずの武器だ。

ただ数分間無意識になっていた間に、すべての攻撃手段を奪われていたのだ。


「くそっ!」


男は必死になってキーボードをたたき始める。

それにあわせるように、お空の表情が再びゆがんだ。抵抗しながらもさとりに制御棒を向け続ける。だが、少しずつであったが、その先端は上下左右にブレ始めていた。


「お空……もう苦しまなくていいのよ? その苦しみから解放されることを考えなさい?」

「……?」








「私を撃ちなさい……お空」








「!!」


さとりの発言に、その場にいた全員が目を丸くして驚いた。完全に制御されて
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