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東方攻勢録
第十一話
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人を使って……」

「おいおい、こいつを操作してたのも……あんたじゃなかったのかい?」

「!」


男の目の前には、ぐったりとしたまま意識を失うお燐と、それを支える死神の姿があった。


「で? あんたは地獄に送られたいのかい?」

「ぐっ……」

「隊長! 撤退命令です!」

「……くそっ。総員撤退!」


攻撃手段をすべて失った兵士達は、そのまま尻尾をまいて逃げていった……。










「お姉ちゃん!!」


兵士達が逃げていったのを確認すると、こいし達はすぐさまさとりのもとに駆け寄った。


「こいし……」

「大丈夫おねえちゃ……! 左手……」

「これぐらい平気よこいし……それよりお空が……お燐は?」

「大丈夫。ここでぐったりしてるだけさ」


そういって小町は、その場にお燐を寝かせた。


「よかった……二人とも無事で……」

「すいません……なにもできなくて」

「いいえ。あなた達がこなければ、こうなることはなかったでしょう……俊司さん」

「え……なんで俺のこと」

「こいしに教えてもらいました。あなたが……地上で八雲紫達と戦っていた外来人ですね」

「……そうです」

「いろいろ聞きたいことはあります。ですが、今は上をなんとかしないと……」

「そのことでしたら、もう大丈夫ですよ」


いきなり入り口のほうから声が響き渡る。

そこにいたのは、地上で戦闘をしていたはずの映姫達だった。


「革命軍なら、さっき全員逃げたわよ?」

「そうですか……付近に敵は?」

「いないね」

「じゃあ、もうはずしてもいいですね」


と言って、俊司はかぶっていたフードをはずした。


「どうも暑苦しいんで」

「それもそうですね」

「ところで……その子は?」


と言って、俊司は幽香の背後にいる少女を見る。少女はびくっと体を震わせると、幽香の服をつかんでいた。


「この子は五月雨清香。俊司の言ってた例のターゲットよ」

「この子が……」

「この子生き物を癒す力をもってるのよ。だからあいつらに捕まって以来、脅されていいようにされてたってこと」

「そういうことだったのか……でも、大事に至らなくてよかった」

「ところで、ここでなにがあったのですか?」

「それは……」


俊司は、とりあえずここでおきたことを簡潔に伝えた。


「なるほど。それは非常にやっかいでしたね」

「まあ、なんとかなったので」

「人質も全員無事。作戦は一応成功ってことかい?」

「そうですね」


その一言で、一同から安堵のため息
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