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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos2魔術師と守護騎士は秘かに語り合う〜Truth and Lie〜
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シュリエルをも笑顔にし、我らとは主従ではなく家族という関係を持ってくれた。

(そんな彼を、私もどれだけ慕ったか)

だが、我々は――私は、オーディンと最後まで共にすることが出来なかった。次の転生でシュリエルから、彼が別の“エグリゴリ”からの奇襲によって腕を失ったことを聴いた時、一体どれだけ己の不甲斐無さに苦悩したか。
オーディンのその後はどうなったかは判らない。奇襲した別の“エグリゴリ”と戦い、勝ったのか、それとも負けてしまわれたのか。そんなオーディンと何かしらの関係を持っているはずのルシリオンからの願ってもない情報交換の提案だ。

『頼めるか? こちらは私と・・・』

『私も聴きたいわ』

『あたしも』

『我も参加させてもらおう』

『判った。じゃあ何か質問があれば・・、答えられるものなら答えるから』

我らはルシリオンへと質問を投げかけることにした。

『まず、一番大切なことだ。お前と、お前と瓜二つである殿方で、かつての我らの主、オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード。彼とお前の関係だ』

子孫であってくれと願わずにはいられない。オーディンはあの後も生きていたのだと、思いたいからだ。

『オーディン・・・か。あなた達はエグリゴリという存在は知っていたりするか?』

忘れもしない。あの男、バンヘルド。あの者にこの命を奪われた時のことは今でも克明に思い出せる。ゆえに質問した私が代表して『知っている』と返答する。そして我らがかつてオーディンを主としていたこと、共に協力してバンヘルドと戦ったこと、しかし我らは決着前に負け、死んだことも話しておく。

『バンヘルドと戦ったことが・・・。だったら、俺の正体を伝えておくよ。俺は対エグリゴリ用の生体戦闘兵器なんだ。生まれからして特別。生まれつき圧倒的な魔力を有し、様々な戦闘技術を持ち、幾多もの魔法を覚え、特殊な能力を与えられた、ね』

『『『『っ!!』』』』

ルシリオンから語られた、彼の正体というのがあまりにも想像の上を行き過ぎていた。彼は続けた。オーディンも自分と同じ対エグリゴリ用の兵器である、と。そう。我らが敬い慕ったオーディンもまた、“エグリゴリ”に救済という名の破壊を与えるために生み出された人工的な生命体。まるで我らのような存在だった。

『そんな・・・。でも、オーディンさんは話してくれたわ。家族のこととか出身世界でのこととか』

『たぶんそれは、俺やそのオーディンの基となったオリジナルの記憶――と言うより記録を語ったに過ぎないと思う。俺にもあるよ。俺が元は王様だったこととか、出身世界で戦争があったこととか、エグリゴリに家族や仲間を殺されたとか、いろいろ』

信じられない――いや、信じたくないと言った風に反論したシャマル
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