第二章 [ 神 鳴 ]
二十三話 神々の戦 開戦
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の間にか部隊長がやられていた、とある。
ならば河上の陣を占拠する方が効率的か。あそこさえ抑えられれば制空権を取り戻せる。
「やはり早急に河上の陣を落とすのがいいでしょう。そうすれば航空隊を使い地上と空からの二点攻撃で奴等の防御陣を崩せます」
あたしの発言に須佐之男が声をあげる。
「よっしゃ!なら俺が出るぜ!文句ねーよな?」
敵の水神の力量が不明な以上、大和最強の闘神である須佐之男に行ってもらうのが一番か。
「じゃぁ須佐之男に「いえ、須佐之男様が出るまでもありませんよ」うん?」
あたしの台詞を遮り一人の男神が前に出てくる。
肩まである黄緑色の髪が細目を隠し、白の着流しに朱色の陣羽織を着込み紫色の野袴姿。
名は確か…斎賀 網螺(さいが もうら)だったか。正直好きになれない類の人物だ。
「そのお役目わたくしにお任せくださいませ、天照様。部隊は必要ありません、わたくし一人で見事敵陣を落としてみせましょう!」
斎賀はあたしではなく天照様にそう嘆願した。一人で落とすとは大きく出たな。奴の言葉を聞いて天照様はしばし黙考する。そこに新たな報告が届いた。
「八坂様御報告いたします!前衛部隊の第二十、及び第二十一部隊が突如現れた敵部隊に奇襲を受け敗走いたしました!」
その報告を聞き天照様の考えが決まったようだ。
「いいでしょう、貴方に任せます。その言葉が嘘でないと証明して見せなさい」
「ははっ!必ずや!」
大仰に礼を取り奴が天幕から出て行く。それを見送ると須佐之男が食って掛かってきた。
「おいおい姉貴そりゃないぜ!どうしてだよ!」
「敵の力量が未知数である以上貴方にもしもの事があっては困ります。それに……もしも失敗したとしても犠牲は彼一人で済みますし」
天照様の言葉は非情の様に聞こえるが合理的だ。さてあたしはあたしの仕事をしないとね。
「伝令を!第三十部隊に河上の陣に変化があり次第進軍する様に伝えろ」
「了解しました!」
あたしの命令を受けて伝令役がすぐさま天幕から出て行く。戦の天秤にまだ揺らぎはない。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
「くっ!退け!退けー!」
敵部隊長らしき男の号令で襲撃して来ていた敵軍は撤退していった。それを確認した私は大きく息を吐く。そんな私に声をかけてくる青髪の少女。
「大丈夫かい楓さん?やっぱり陣の責任者っていうのは大変だよね」
「心配してくれてありがとうございます、にとりさん。確かに大変ですけどすべては諏訪子様の為ですし」
にとりさんにそう伝えると彼女は「でも無理はダメだよ」と言いながらえへへ、と笑う。彼女の笑顔は
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