第二章 [ 神 鳴 ]
二十三話 神々の戦 開戦
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マだ。だけどこれを維持している紫はまだ十にも満たない子供、戦場すべてに目を凝らし僕達の移動を助けながらでは妖力が持つわけが無い。紫が倒れれば僕達の負けが確定する。
この作戦にしてもハッタリだらけだ。
元々ここを戦場にする予定であっちの挑発に乗った様に見せて誘導した。理由はここが霊地で土地神が有利に動けるから。最初に正面からぶつかったのは油断させる為と相手の陣形を無力化する為。神奈子の戦術は調べて分かっていたからそれが機能しないようにワザと恐慌に陥ったかの様にバラバラに逃げさせた。
後は霊脈の所まで誘き寄せ防御陣を敷いて相手の動きを止め、その隙に部隊長を始末する事で混乱を起こさせ敵部隊の足を止める。
前線部隊がそんな状態で中衛の部隊長がいなくなれば完全に統率を失う。そこに潜ませていた奇襲部隊で強襲。壊滅まで追い込めたのは運がよかった。
そして中央の河の上流からの攻撃。
そこには『活性陣』という術を施して一時的に土地の霊気を跳ね上げてあった。その霊気を使って数人の水神と協力を申し出てくれた河童達の能力を底上げして攻撃させたのだ。
ただしそれは一回が限度でさっき敵の航空隊を壊滅させた攻撃はもう出来ない。でも暫くは攻撃を警戒して航空隊は出してこないだろう。とりあえず制空権は封じた筈だ。
正直こっちが有利に見えていても不利のまま。それに神奈子は僕の狙いに気付いている筈だ。
「僕達には余裕なんか無いからね、短期決戦で挑まないと絶対に押し負ける。こっちのハッタリが通じている内に相手の前線部隊を出来る限り削らないと」
神奈子が僕の狙いに気付いているとしてもこっちのハッタリには気付いていないはずだ。ここからはお互いに我慢比べになる。押し切れればこっちの勝ち、耐え切られればあっちの勝ちだ。
「じゃぁそろそろ行くよルーミア。紫準備は?」
「大丈夫、気を付けてねお父様、それとルーミアも」
「そうね気をつけるわ」
紫に見送られながらスキマの外に向かう。この戦の天秤は未だどちらにも傾いてはいなかった。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
「なるほどねー、戦以外の事まで考えてるとは恐れ入るぜ。いやたいしたもんだ!」
あたしが語った諏訪の思惑に須佐之男が感心していた。敵を褒めてどうする。それと対照的に天照様は渋面になっていた。
「中々に小賢しい事を考えますね。さてこの状況どうしましょうか?」
天照様に意見を求められ思案する。間違いなくこのままではジリ貧だ。この状況を打開する最良の一手を考えなければならない。
今こっちを苦しめているのは不可解な奇襲と河上からの攻撃だ。奇襲の方は全くと言っていいほど正体が掴めない。報告にも何時
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