第二章 [ 神 鳴 ]
二十三話 神々の戦 開戦
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々は被害を大きくしてでもここで諏訪を打ち破らなければいけない」
この罠を仕掛けた人物が何を狙っているのか、神奈子は気付いていた。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
「この戦、相手を撤退させれば僕等の勝ちだ」
スキマの中で紫とルーミアにそう言って聞かせる。僕の発言にルーミアが問い返してきた。
「そりゃこっちが勝てばあいつ等は撤退するでしょ?」
相手に勝ち、相手が全滅していなければ残った者は撤退するに決まっている。だけど今回の戦においては逆なのだ。
「実はね僕、諏訪子には内緒で非公式に近隣諸国に共闘依頼を嘆願しに行ってたんだよ。まぁ結果はこの戦場を見て分かる通り断られたんだけどね」
「…お父様そんな勝手な事してばれたら怒られるわよ?」
僕の行動に紫は呆れたらしい。でも今回の事には意味があったりする。
「しょうがないよ、諏訪子に黙ってたのは断られるのが分かっていたからだし、非公式にしたのは近隣諸国のためだし」
諏訪の国以外は大和の国に対してもはや怖気づいてるといってもいい。最初から協力してもらえるとは思っていなかった。僕個人で赴いたのは諏訪の使いが来たと大和の国に目を付けさせない為。
「周りの国は諏訪の国が勝つなんてまったく思っていない。負け戦に協力して後で大和の国に何かしらの懲罰を受けるよりは無視した方が賢明だと思ってる。だけどこの戦で僕達が大和の軍を退けられれば…」
僕の台詞に紫が得心したように声を上げた。
「諏訪の国は大和の国に対抗できるだけの力がある、と周辺諸国は思う!そうすれば大和の支配を嫌がる国の協力を得られ対大和連合を作れる!だから撤退させるだけでいいのね」
「そういう事。大和に支配されるより諏訪と同盟を結ぶ方が得だと考えるだろうしね。だから無理に勝ちを狙う必要は無いんだよ」
大和は急成長し過ぎた。今は勢いで勢力を伸ばしているが一旦進軍が止まれば周りの国が一気に牙を剥くはずだ。
「なるほどね。変な作戦だと思ったらそんな事を考えてたなんてね」
ルーミアが感心したみたいな事を言ってくる。
「じゃぁこのまま持久戦に持ち込めばいいのね?」
「いやそれは無理だよ」
ルーミアの発言を僕はきっぱり否定した。確かに持久戦に持ち込めば侵攻してきている大和の方が不利だろう。それに加えこちらは防御陣を敷いている。だけどこっちには決定的な穴があった。
まず一つが攻撃力不足である。紫のスキマを使って敵の部隊長を襲撃しているのは実は僕とルーミアだけだ。他の戦力は全部戦場につぎ込んだ。そうしないと防御陣が維持できないから。
二つ目は紫だ。そもそも今回の作戦の生命線はこのスキ
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