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万華鏡
第四十五話 運動会当日その十二

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「掛け持ちしたら?」
「陸上部とかよ」
「そう、そうしてみたら?」
「いいな、けれどな」
「それでもなの」
「掛け持ちやるんだったらあたしが二人にならないとな」
 楽しげに笑ってだ、美優は彼女にこう返した。
「それなら出来るんだけれどな」
「どっちも思いきりしたいのね」
「今の軽音楽部だって楽しいしさ」
 そして陸上部も楽しいだろう、しかし掛け持ちをするならというのだ。
「二つになるとな」
「どっちもなのね」
「全力でしたいからさ、そうするとな」
「二人必要だっていうのね」
「ああ、あたしがさ」
「成程、そうなのね」
「二人いたら何かと便利だよな」
 笑いながらだ、美優はその娘にこうも話した。
「一人は宿題して一人は遊んでとかさ」
「何か何処かの猫型ロボットの道具使った時みたいな話ね」
「あはは、そういえばそうだよな」
「そうなるわよね」
「だよな、あのロボット本当にいたらいいよな」
 話はそちらに移った、誰もが知っている漫画のキャラクターだ。アニメももう何十年も放送が続いている。
「便利だよな」
「うん、一体いるだけで万事解決よね」
「空も飛べて何処でも行けてな」
 この二つの道具もあまりに有名である。
「毎年凄い場所に冒険出来てな」
「映画の方ね」
「いいよな、あのロボット実際にいれば」
「そうよね」
 そんな話もした、そして美優は部の対抗リレーの前にプラネッツの四人にこのことも話した。するとだった。
 その話を聞いてだ、彩夏が怪訝な顔でこう美優に言ったのだった。
「あのね」
「あのねって。何かあるのかよ」
「ゆるキャラの中にね」
 軽音楽部が被って走ったり応援に被るそういったものの中にだというのだ。
「似てるのがいるけれど」
「設定がかよ」
「外見がね」
 幸いだ、設定は似ていないというのだ。だがそれでも外見が、というのだ。
「もうそっくりなのよ」
「青い狸かよ」
「白よ」
 幸い青ではなかった、色はそちらだというのだ。
「それで耳もあるけれど」
「あのロボット耳ないからな」
 鼠にかじられてなくなったのだ、それ以来鼠が大嫌いなのだ。
「じゃあセーフだろ」
「まあね、しかも垂れ耳だから」
 オーソドックスな猫耳ではないというのだ。
「細かいところはセーフなのよ」
「けれど大筋はか」
「似てるから」
「そんなにかよ」
「そう、あれよ」
 彩夏はそのゆるキャラの方を指し示した、すると確かにだ。
 色は白く垂れ耳だ、それでもである。その外見は確かにそっくりである。それを見てそして言うのだった。
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