第四十五話 運動会当日その十一
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「またすぐに次のレースだから」
「ちょっとそれは止めてくれる?」
「嬉しいのはわかるけれど」
「何だ、駄目なのね」
「悪いけれどね」
「そうなのよ」
これが係員達の言葉だった。
「また今度ね」
「そうしてね」
「そうなの、じゃあ仕方ないわね」
その娘も残念な顔になったがそれでも頷いた、そしてだった。
そうしてだ、こう言うのだった。
「控え場所に行くわね」
「そこで最後まで待っててね」
「そうしてね」
「そういうことでね」
こう話してそしてだった、その娘はグラウンドの中にある選手の控え場所グラウンドのトラックの中にあるそこに入った。
そこには美優の他の一緒に走った娘達もいた、美優は控え場所であるグラウンドの土の上に体育座りで座ってからこう言った。
「無理だったんだな」
「うん、あれは目印だからって」
「それでか」
「持って走るのはね」
それはというのだ。
「無理って言われたわ」
「そうか、仕方ないな」
「残念よね、やっぱり」
「いや、あたしも変なこと言ったよな」
美優は申し訳ないといった顔で述べた。
「一位になった旗持ってとか」
「いや、変なことじゃないわよ」
「だったらいいけれどさ」
「私もいいって思ったからね」
その一位になった娘もここで話す。
「だから係員の娘達にそう言ったのよ」
「そうだったのかよ」
「そうよ、まあ旗のことはいいとして」
「ああ、それでもだよな」
「いや、正々堂々とやれてね」
その障害物走をだというのだ。
「よかったわね」
「だよな、やっぱり全力を尽くすってのはな」
「正々堂々とね」
「いいものだよな」
「すっきりするわ」
競技が終わってからだ、そうなるというのだ。
「それがスポーツよね」
「そうだよな、あたしも陸上してた頃はな」
中学のその頃はというのだ。
「それが最高だったんだよな」
「だから陸上してたのね」
「そうだったんだよ」
こうにこりと笑って彼女に言う。
「まあ今はさ」
「軽音楽部よね」
「ああ、陸上じゃないよ」
「何で軽音楽部にしたの?」
「成り行きでさ」
思えばそれで軽音楽部で入った、気付けばという感じだった。
しかし入ってみてだ、こう言えたのである。
「いいところに入ったよ」
「何ならだけれど」
その娘は美優にここで言ってきた、誘う感じの言葉だった。
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