第四十五話 運動会当日その八
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「それでいくから」
「わかったわ、それじゃあね」
最後に体操の話をしてだった、五人はまずは開会式のそれぞれの場所に行きクラス単位で準備体操をした。それからだった。
美優は彼女のクラスメイト達にこう言われたのだった。
「じゃあリレーの時お願いね」
「美優ちゃん最初に走ってもらうからね」
「いきなりだけれどね」
「頼んだわよ」
「ああ、最初だよな」
そのハードルのクラスで最初に走るランナーに選ばれたのだ、それで屈伸をしながらそのうえで応えるのだった。
「いきなりだよな」
「そう、競技がはじまったらね」
「第一だからね」
「最初で流れ掴もうね」
「そうしていこうね」
「そうだよな、最初が肝心だからな」
美優も真剣な顔で応える、準備体操の後もその番が近付いているので再び身体をほぐしながらそうしているのだ。
その中でだ、こう言うのだった。
「やるか」
「陸上部が出てるクラスもあるからね」
「それもハードルの選手がね」
よりによって、とい感じで話す彼等だった。
「だから相当まずいけれどね」
「トップは取れなくてもね」
「流れは掴もうね」
「だよな、全力を尽くすよ」
流れを掴むとはそういう意味だと捉えてだ、 美優も応える。
「何があってもな」
「怪我はしないでね」
「最後の最後まで流れよく完走してね」
「相手が悪いから一位は無理でもね」
「美優ちゃんのレースをしてね」
「あたしのか」
美優はアキレス腱も伸ばしながら応えた。本当に準備体操に余念がない。
「それで怪我をせずに」
「ハードルだからね」
文字通り障害物だ、本当に怪我が気になる。
しかしそれでもだとだ、クラスメイト達はこう言うのである。
「間違ってもそれで怪我しないでね」
「わかってるさ、けれどな」
今グラウンドにそのハードルが用意されている、係員達によって置かれていっているそのハードルを見て言うのだった。
「ちょっと油断するとだよな」
「そう、怪我するからね」
「だから本当に注意してね」
「怪我をしないことなんだな」
つくづくといった感じでだ、美優はハードルを見ながら呟く様に言った。
「そうよ、怪我したら何にもならないじゃない」
ハードルの最後のランナーの娘が来て美優に言って来た。背は美優より十センチは低いがスタイルはいい。この娘も陸上部の娘だ、ただしハードルではなく高跳びの選手だ。
「スポーツなら何でもね」
「それからベストを尽くせっていうんだな」
「ええ、そうよ」
まさにその通りだというのだ。
「まずはね」
「それで楽しむんだよな」
「スポーツはね、これを言ったら綺麗事になるけれど」
陸上部の娘は真剣な、まさに勝負に挑む顔で語った。
「第一にね」
「楽しむことなんだよ
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