第七十三話
[8]前話 [2]次話
第七十三話 はじめての塾
華奈子と美奈子が塾に行くとだ、もうそこにだった。
亜美がいた、亜美は微笑んで二人に言ってきた。
「ここでははじめてやな」
「ええ、そうよね」
「学校以外で会うのはね」
「とはいってもや」
塾でははじめて会う、そうはいってもだと亜美は笑顔で言うのだった。
「学校で会うのも今日がはじめてやけどな」
「あはは、そうよね」
「そうなるわね」
「けれどや」
塾でもだというのだ。
「こっちでも宜しゅうな」
「うん、じゃあね」
「塾でもね」
「五年生はうちを入れて七人やな」
亜美は塾の生徒の数についても言った。
「そやったな」
「ええ、そうよ」
「七人よ」
二人もそうだと答える、実際に五年生の塾生は七人だ。これまでは六人だったが亜美の加入でその数になったのもその通りだ。
「だからこれからはね」
「七人で楽しくやっていきましょう」
「ほなな」
ここでだ、不意にだった。
亜美はそのポケットからあるものを出してきた、それはというと。
トマトジュースのパックだった、それを出して二人にあらためて言う。
「ちょっと御免な」
「トマトジュース?」
「それ飲むの」
「そやねん、栄養補給で」
「それで飲むの」
「そうなのね」
「一日一本、トマトジュースなり野菜ジュースをや」
飲むとだ、亜美は二人ににこにことして話す。
「野菜自体もよく食べる様にしてるんや」
「何かね」
「かなりヘルシー思考よね」
「お母さんが五月蝿いから、健康には」
それで野菜ジュースを飲んでいるというのだ、だがその飲み方は薬の様ではなくにこにことして飲んでいる。
そのうえでだ、二人に言うのだ。
「特にトマトジュースが好きやねん」
「何かそれだけ聞くと吸血鬼みたいね」
「そう思えるわね」
二人はトマトジュースからこう考えた、これは多分に漫画からの先入観で実際の吸血鬼はかなり違うのだが。
それでもだ、亜美はトマトジュースを飲んでからこう言ったのだった。
「美味しかった、ほな今からな」
「ええと、今度のお話は」
「何なの?」
二人はこのことを問うのだった、亜美は二人ににこりと笑ってそのうえで話していく。彼女自身のことをさらに。
第七十三話 完
2013・9・20
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ