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レンズ越しのセイレーン
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Report9 アンティゴネ
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己紹介なんてして、挙句ターゲットを逃がす始末だ」

 ニタァ。リドウの唇が不吉に歪むのを、ユティは至近に見てしまった。

「君さ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の?」

 ユティは立ったままフリーズした。その反応に満足したのか、リドウは踵を返した。
 その背は小刻みに震え、やがて嘲笑が聞こえてきた。

 それでもユティはフリーズから復旧できないでいた。

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