暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
第五十二話〜開戦と黒幕〜
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は欲に目がくらんだ俗物だ。消えたところで痛手ではない」

「ああ、我らという存在が残る限り、次元世界の平和は維持される。そう――」

「「「全ては次元世界の秩序の為に」」」

 3つの声が唱和を奏でる。
 この3つの声の主は、シリンダー内に収められた脳髄である。そして彼らを表す脳髄以外の言葉は“管理局最高評議会”であった。
 彼らは約150年前に管理局と言う組織を作り上げた、ある意味管理局の始祖である。当初は次元世界に平和をもたらそうと活動していた彼らであったが、その志はいつからか歪み、『自分たちがいなければ、平和が乱れてしまう』と想うようになってしまった。
 そしていつからか、目的と手段を履き違え、管理局を維持するために違法研究等の公にすれば断じられるような犯罪行為も、平和を維持するためと唱い実行し続けるようになっていた。
 そして、人間としての寿命は短いすぎると判断した彼らは、脳髄だけを延命するようになり、そんな姿になっても尚管理局と次元世界を影から操り続けていた。
 彼らが今回の事件の後の事を話し始めようとすると、部屋の出入口から来客を告げる音が鳴り響く。
 彼ら、いやそもそもこの部屋の存在を知る者は数える程しかいないため、彼ら3人は来客者が自分達の延命装置を点検する秘書が来たと思い込む。
 そして部屋に入ってきた人物を確認すると3人は誰何の声をあげた。

「誰だ、貴様?」

 入ってきたのは学生服と思われる黒字に黄色のラインが入っている青年であった。
 いきなりの闖入者に驚く彼らであったが、青年のデータがあることに気付き、冷静さを取り戻した。

「データがある。貴様はライ・ランペルージだな」

「ジェイルと六課から報告のあったイレギュラーとやらか」

「貴様のようなものが何のようだ?」

 どこまでも人を見下したような言葉を放つ彼らに青年、ライは苛立ちを抑えながら口を開いた。

「最高評議会、貴様たちのその存在はこの世界には必要ない。ここで退場していただく」

「はっ、何を言い出すかと思えば。我らがいなくなれば次元世界の平和は消え去る。そんな事も分からない小僧が何を偉そうに」

 ライはその根拠のない自身と自らの存在意義を語る彼らに、呆れを通り越して憐れみの感情すら湧き上がりそうになった。
 彼らの存在は既に怨念の域だとライは悟る。そこまでしなければ平和を作ることが出来なかったと思われる、当時の次元世界をライは知らない。だが、ある意味ここまで大きな治安維持の為の組織を維持できた一因として、彼らの手腕もあったのだろうと予想はできる。
 だが、平和や治安を維持する為のシステムを保つために、自らが人の道徳を捨て、それを侵す行為をするのは本末転倒であるライは考える。
 そして、彼らによって
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