暁 〜小説投稿サイト〜
レンズ越しのセイレーン
Mission
Last Mission アルケスティス
(6) マクスバード/リーゼ港 D
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
は口をぱくぱくさせるだけで、どんなに呼びかけても声での答えは返って来なかった。

 エリーゼは涙し、ローエンに抱きついて嗚咽を漏らす。
 ジュードは悔しさを隠しもせず治癒功を当て続け、レイアがその拳を両手で包みながら泣いている。

「俺だって、お前のこと友達だって…一緒にいて楽しいって…! だから…頼むから…!」

 もはやルドガー自身、何者に懇願しているか分からなかった。


 すると、ユティは震える腕を持ち上げ、震える指で天を指した。
 指の先には、不気味に浮かぶカナンの地。


 腕が血だまりに落ちて赤い水滴を跳ねさせた。
 それを最後に、ユティは動かなくなった。



 ――橋が架かる。
 ――あの禍つ月と同じ、闇色の橋が。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ