暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
44話:少し遅れたクリスマス会
[10/10]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
――…それとな」
「…?」

顔を俯かせていた俺に、シグナムは尚も続けて口を開く。俺は顔を上げて、再びシグナムの顔を見る。

「『主の事を、よろしく頼む。無茶をしないよう、支えていて欲しい』…とな」
「っ!?」

シグナムの言葉に、俺は声を詰まらせた。そして視線をシグナムからはやてへと向ける。
なのは達としゃべりながら、笑い声を上げるはやて。最初に会った頃とは、全く違う笑顔だ。

「…門寺。私達もお前に感謝している」
「え…?」
「主と私達が出会って、さらにお前が主と再開されてから、お前の話をするときの表情が柔らかくなった」

そう言いながら、シグナムは静かに笑う。

「これも、お前のお陰だ」
「………」

シグナムに向けていた視線を、またもはやてへ向ける。
そしてそうだな、と目を瞑りながら小さく呟く。

「俺も、少しは覚悟を決めないと、な…」
「門寺…」
「ありがとよ、シグナム。リインフォースの伝言を伝えてくれて」

俺は小さく微笑みながらシグナムに礼を言う。シグナムは少し目を見開くが、すぐに表情を和らげる。

「礼には及ばん。あいつの…リインフォースの願いだからな」
「家族に甘いのな」
「…そういうつもりではないが」

まぁ、それはあんたらしいよ。そう言いながら頭の中で考える。

(はやてを守る、か…)

それ以前に、俺はこいつらを傷つけさせるつもりはない。元より、アイツらの脅威からは必ず守るつもりだ。
そのうちに…勿論はやてもいる。彼女も俺にとっては、とても大切な存在なのだから。


「―――…守ってみせるさ。はやては勿論、フェイトも…なのはも…」


「…ん?」
「いや、なんでもない」

小さく呟いた声は、シグナムの耳には雑音のように聞こえたらしく、俺を見てくるが、俺は軽くあしらう。

「士〜!もうすぐビンゴ大会やるって〜!」
「こっち来なさいよ〜!」

そのとき、フェイトとアリサから手招きされる。

「お、それは楽しそうだな。…だが、ビンゴの紙もらってねぇぞ!?」
「紙なら私が持ってるよ!」
「ささ、早く早く!」

俺は少し焦りながら言うと、なのはとはやてが言ってくる。
ならいいか、と呟き、俺はシグナムに振り向く。

「お前はいいのか?」
「あぁ、私は遠慮しておく」
「そうか…」

俺はそう言って、なのは達の元へ走っていった。

 
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ