暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
44話:少し遅れたクリスマス会
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――…それとな」
「…?」
顔を俯かせていた俺に、シグナムは尚も続けて口を開く。俺は顔を上げて、再びシグナムの顔を見る。
「『主の事を、よろしく頼む。無茶をしないよう、支えていて欲しい』…とな」
「っ!?」
シグナムの言葉に、俺は声を詰まらせた。そして視線をシグナムからはやてへと向ける。
なのは達としゃべりながら、笑い声を上げるはやて。最初に会った頃とは、全く違う笑顔だ。
「…門寺。私達もお前に感謝している」
「え…?」
「主と私達が出会って、さらにお前が主と再開されてから、お前の話をするときの表情が柔らかくなった」
そう言いながら、シグナムは静かに笑う。
「これも、お前のお陰だ」
「………」
シグナムに向けていた視線を、またもはやてへ向ける。
そしてそうだな、と目を瞑りながら小さく呟く。
「俺も、少しは覚悟を決めないと、な…」
「門寺…」
「ありがとよ、シグナム。リインフォースの伝言を伝えてくれて」
俺は小さく微笑みながらシグナムに礼を言う。シグナムは少し目を見開くが、すぐに表情を和らげる。
「礼には及ばん。あいつの…リインフォースの願いだからな」
「家族に甘いのな」
「…そういうつもりではないが」
まぁ、それはあんたらしいよ。そう言いながら頭の中で考える。
(はやてを守る、か…)
それ以前に、俺はこいつらを傷つけさせるつもりはない。元より、アイツらの脅威からは必ず守るつもりだ。
そのうちに…勿論はやてもいる。彼女も俺にとっては、とても大切な存在なのだから。
「―――…守ってみせるさ。はやては勿論、フェイトも…なのはも…」
「…ん?」
「いや、なんでもない」
小さく呟いた声は、シグナムの耳には雑音のように聞こえたらしく、俺を見てくるが、俺は軽くあしらう。
「士〜!もうすぐビンゴ大会やるって〜!」
「こっち来なさいよ〜!」
そのとき、フェイトとアリサから手招きされる。
「お、それは楽しそうだな。…だが、ビンゴの紙もらってねぇぞ!?」
「紙なら私が持ってるよ!」
「ささ、早く早く!」
俺は少し焦りながら言うと、なのはとはやてが言ってくる。
ならいいか、と呟き、俺はシグナムに振り向く。
「お前はいいのか?」
「あぁ、私は遠慮しておく」
「そうか…」
俺はそう言って、なのは達の元へ走っていった。
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