暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
44話:少し遅れたクリスマス会
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がいなくなったのは、士君の所為じゃないやないか」
「だ、だが俺がいたらリインフォースが救えたかも…!」
「そんな“たら”とか“れば”とか“かも”とか、一々考えてたらきりがないよ?」

それとも何か、と言いながらハリセンをトントンと手で弄ぶ。

「もう一発殴らなきゃわからんのか?」
「いえ、もう十分です…」

俺の一言に、はやては笑いながらハリセンをしまう。

「…私だって悔いがない訳やない。リインとの生活は、本当にこれからやった筈なんやから」
「はやて……」
「でもな…あの子、笑って逝ったんや。色んなもんを残して、な」

はやてはそう言いながら、首に下げられた剣十字に触れる。

「だからあの子の分も私達は幸せにならなきゃならへん」
「………」
「……まぁ、暗い話になってもうたけど、今はそんなん無しや!なんてったって今日は、クリスマス会なんやから」

少し俯いていたはやては、顔を上げて笑顔で言ってくる。

「…はやて……」
「だ〜か〜ら!そんな顔、クリスマス会には似合わへんよ!」
「あでっ」

眉を寄せていると、はやては再びハリセンを取り出し、今度は軽めに叩いてくる。
俺は側頭部を抑えていると、はやてに手を引っ張られた。

「さ、せっかくのパーティーや!楽しまな損や。士君、行こか!」
「あ、あぁ…そうだな…」

そして俺ははやてに手を引かれながら、再び月村邸へと戻った。








「主、戻られましたか」
「うん、ただいまシグナム」

パーティー会場の部屋へ戻ると、すぐ側にシグナムが立っていた。

「それじゃ、私もなのはちゃん達に混ざろうかな!」

はやてはそう言って車いすを転がして、ガヤガヤと話しているなのは達の所へ向かっていった。

「………」
「…どうした門寺。浮かない顔をして」
「…いや……」

俺の顔を見たシグナムはそう言ってくる。俺はシグナムのいる側とは別の方向へ顔を背ける。

「リインフォースを救えなかった事を、悔いているのか?」
「っ……」
「…図星、か」

またも図星をつかれ、しかもそれを言葉にされた。

「…そう言えば、お前にリインフォースからの伝言を言付かっている」
「リインフォース…から?」
「あぁ」

シグナムの言葉に反応して、シグナムに向き直る。シグナムはというと、先程までこちらに向けていた視線を、はやて達のいる方向へ向けていた。

「…『お前には、主の事を気遣ってくれた事に感謝している。お前のお陰で、主の心に大きな光がある。その光は、そこにあるだけで主を支えてくれるだろう』、と」
「……そう、か…」

『光』、か…。そんな大それたもんが、俺のお陰で生まれたとは考えがたいな。

「―
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