暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
44話:少し遅れたクリスマス会
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をかけられたにも関わらず、はやての対応は意外に冷静なものだった。
はやては車いすを動かして、俺の正面にやってくる。

「よう来てくれたな、士君」
「別に断る理由もないしな。礼は言わなくていいからな」

ほいよ、と俺は脱いだ上着をはやての膝の上にかける。

「え…?」
「寒いだろ?これで少しは足しになるだろ」
「えぇのにそんなん…」
「ていうか大体、外で会うっていうのがあれだろ。中で話はできなかったのか?」
「まぁえぇやん。こっちの方が雰囲気出るし」

そう言ってはやては俺の顔を覗いてくる。

「…あんな、士君―――」


「ごめん」


「―――ありが…ふぇ?」

頭を下げて礼を言おうとしたはやてより前に、俺は腰を曲げて謝罪をする。自分の言葉が遮られた事に、はやては驚いて目を丸くした。

「え?……えっと、え…?」
「話はクロノから概ね聞いてる。結局俺は……何も、できなかった」

俺は頭を下げたままそう言う。

はやての新たな家族となる筈だった存在……“夜天の書”の管制融合騎、リインフォース。
彼女は“闇の書”の完全破壊に伴い、その存在も消えてしまった。闇の書のプログラムだったヴォルケンリッターが残っているのは、リインフォースが闇の書から彼等を切り離したおかげだそうだ。

「俺が起きてれば、何かしてやれたかもしれないのに……俺は、また何もできずに…すまない…」


「―――…ほんま、クロノ君が言った通りになった」


「……は?」

先程まで黙って聞いていたはやてが唐突に発した言葉に、俺は戸惑いながら顔を上げる。そこには腕を組んで、明らかに怒ってますという表情のはやてがいた。

「クロノ君言うとったよ?『アイツの事だ。リインフォースの消滅を変に抱え込んで、バカな事を言ってくると思う』って」
「っ……」

クロノに先を読まれたのは癪だが、図星をつかれたのは確か。さすがに顔をしかめてしまう。

「それと、『そんなことがあった時は……』」
「……?」

はやてはそう言って俺の間近までやってくる。

「……こうやぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぶべらっ!?」

そして次の瞬間、俺の視界に火花が散る。その衝撃に耐えきれず、尻餅をつく。そこでようやく、俺は頬をぶたれた事を自覚した。
原因は、と前を見ると、目の前にいるはやてがユーノを叩いていたハリセンを振り切っている姿があった。ていうか、どっから取り出した?!

「『思いっきりぶっ飛ばしとけ』とも言うとったよ!」
「あ、あの野郎…いつか絶対ムッコロす…!」

俺はハリセンで叩かれた頬を摩りながら、ゆっくり立ち上がる。

「それにしてもや…ほんと士君ってバカな人やね」
「は…?」
「何もリインフォース
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