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GGO編ーファントム・バレット編ー
59.激戦
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げてやがる」

壁から崩れ落ちた元壁の一部だったものが地面を転がり光の欠片となって消滅する。
少しの沈黙が広がった後にキリトが口を開く。

「......少し気になることがあるんだ。さっきのサテライト・スキャンで生存者と退場者を全部数えたら、二十七人しかいなかったんだ。一人はペイル・ライダー、あとの二人は死銃だ。それでも一人足りない」

「........まさか、死銃があれからまた誰かを殺したっていうの?」

シノンは眼を見開き、すぐに首を横に振った。

「そ.....そんなの不可能よ!だって、共犯者は私を狙っているはずでしょ?仮想世界じゃないんだから、そうそう素早く移動できるわけない。まさか.......」

「いや不可能じゃない」

シノンの言葉を遮って俺は口を開いた。彼女はこちらを向く。そして俺が考えを淡々と説明する。

「キリトの話を聞いた時点で俺は少しだけ疑問に思ってたんだよ。こっちの死銃二人に対してあっちの実行役が一人ってのはおかしな話だ」

「それって.....まさか!」

藍色の瞳を大きくし、そのまま固まる。

「そのまさかだよ。......死銃の実行役は一人だけじゃない。つまりあいつは、シノンと闇風の両方を狙っていてもおかしくない」

「.........っ!」

シノンは息を吸い込み、巨大な狙撃銃をいっそう強く抱きしめた。キリトは薄々わかっていたようだ。

「そ、そんな......。こんな恐ろしい犯罪に三人以上が関わってるっていうの?」

「.....元《ラフィン・コフィン》の生還者は、少なくとも十人以上いる。しかもそいつらは半年近くも同じ牢獄エリアに閉じ込められていたんだ。現実世界での連絡手段を相談したり......極論、今回の計画そのものも練り上げる時間だって充分あったはず。まさか十人全員が関わってるとは思わないけど......共犯者が一人だけだと断言できる根拠もない」

「.......そこまで.....なぜ、そこまでして《PK》で居続けなきゃいけないの......せっかく、デスゲームから解放されたのに、どうして.....」

震える囁き声に、キリトが答えを出す。

「.....もしかしたら、俺とシュウが《剣士》であろうとし、君が《狙撃手》であろうとするのと、同じ理由なのかもな.....」

「......だとしたら、そんな奴らに負けれない」

シノンはいつの間にか細い体からは震えが去り、その瞳には光を感じた。

「ああ、そうだ。これ以上あいつらの好き勝手にさせる訳にはいかない。共犯者ともども、罪を償わせる」

これはあいつらへ"罪を償わせる"ための戦いでもあり俺の"罪滅ぼし"の戦いでもある。
本来なら俺一人か、キリトと立ち向かうべき戦いなの
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