13話 黒木 七実side
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ストロギアの探索中は黙々とこなしていた。
それが何故か模擬戦の時だけはわざわざ声を張り上げながら攻撃をしてくる。
まるでこちらに攻撃を仕掛けることを宣言するかのように。
もし、もしもそれこそがクロキの99連敗を経て、僕に自然と擦り込んできていたことなら?
今の僕はクロキの声に反応して攻撃を警戒するようになっている、そこから生まれるクロキにとってのメリットは注意を完璧に自分自身に集めることだろう。
だとしたらクロキの狙いはこちらの不意を打つつもりなのだろう。
周囲に気を張り巡らせクロキの不意打ちが何なのか探る。
そんな中、目の端におかしなものが映った。
それは僕とクロキの影。
そして僕の背後で大剣を振りかぶる人影だった。
反射的に身を捻る、そこには今にもこちらに大剣を振り下ろさんとしているクロキの姿があった。
「うえっ!?」
看破されるとは思っていなかったのだろう、驚いているのが声からでもわかる。
「惜しかったね!」
体を回転させた遠心力を上乗せした杖をクロキの胴へと一閃させながら称賛を口にする。
そう本当に惜しかった、最初の失言さえなければ、こちらが負けていたかもしれない。
それに加えて、いつの間にか扱いの難しい幻覚魔法を修得していたのは掛け値なしに称賛に値するだろう。
だがそれを聞いたクロキは焦った様子も悔しそうな様子もなく、ニヤリと笑みを浮かべてみせた。
「そっちがな」
その言葉に眉をひそめる間もなく、杖がクロキの胴へと吸い込まれるように向かう。
だが手に伝わってくる感触は空を切る感覚だけだった、渾身の力を込めた一撃はクロキの胴をそのまま通り抜けた。
「なにっ!?」
作戦とやらにはめられたと気づいたときはすでに遅く、ふりむこうとした首筋に押し当てられた大剣が勝敗が決まったことを示していた。
▼▼
「いや〜、それにしてもまさかの大金星だったねクロキ君」
「いや〜、お褒めに与り光栄の至りですね、エイミィさん」
ブリッジって言うので合ってるのかわかんないけど、とりあえずアースラを操作しているっぽい場所に来ると、まずエイミィさんことクロノの未来の嫁さんに称賛をされた。
いやはや照れる。
え? 前半表現が曖昧すぎないかって?
だって〜俺別に船艦マニアでもないし知る訳ないもん☆(ぶりっこ口調で)。
おえぇ………自分で言ってて吐きそうになった。
「おだてられていい気になるのはいいが模擬戦だったからできたっていうことを忘れないようにすることだ、実戦では今回のみたいなことは使えるはずもない」
「おお? 随分不機嫌じゃねえのクロノ」
「気のせいだ」
あれか? 負けたから悔
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