13話 黒木 七実side
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テップで後退しても間に合いはしないだろう。
ならばと空中へと待避する、クロキは飛行魔法を使えない以上空中に行けばこちらが有利になる。
「逃がすかよお!」
だが距離を置くよりも早く上から振り下ろされた追撃が迫る。
「ちいっ!」
シールドを展開するが、急拵えのそれを易々と切り裂かれてしまう。
ガキィッ!!
何とか杖で防ぐも大きく吹き飛ばされる。
その途中手が酷く痺れるが魔力弾を牽制でいくつか放つ、だがそれも当たるはずもなく回避されてしまった。
すぐに接近しようとするクロキから距離を空けるために今度こそ空中へと移動する。
「まあた、チキン戦法かよ。最後くらいまともに戦ってみようとか思わないわけ?」
仕切り直しとでも言うのか、クロキは大剣を肩に担いでこちらに話しかけてくる。
そしてその最後という一節にわずかにだが胸が締め付けられる気がした。
そう、これから先クロキが一般人として平和に生きるのであれば、まず僕と関わることはないだろう。
それは、認めるのは少し癪だがどうやら僕は多少はクロキがいなくなることにほんの少しではあるが心細さを
「しっかしあれか、やっぱりおちびさんは肝っ玉も小さ(ぶちり)うおっ! ちょっおま! いきなりバインドは卑怯だろ!」
気のせいだったようだ。
魔力弾と共にバインドをかけようとするが、クロキはことごとく避け続ける。
だがクロキに遠距離攻撃の手段がない以上ここからはワンサイドゲームになるのが常だった。
攻撃ができないクロキを徐々に追いつめて設置型バインドに誘導するか、一発逆転を狙って飛びかかってくるクロキの攻撃を避けてから返り討ちにして終わりだ。
今回は本人の宣言通り勝ちに来るだろうから十中八九後者になるだろう。
「行くぞクロノ覚悟しやがれ!!」
その言葉通り地面を蹴り、クロキが一直線に跳び上がってくる。
だがそれはやはり所詮飛ぶ、ではなく跳ぶである以上必ず限界は存在する。
その切っ先は高度を上げただけで届かなくなる。
はずだった。
「まだまだあ!」
「っ!?」
クロキは何もない中空でまるで見えない地面を蹴るかのように再び跳び上がり、こちらに急接近してくる。
それは油断していたならば避けるのは難しかったかもしれない。
だが今は油断をしないように気を張っていたおかげで、避けること自体は問題なくできるだろう。
………だというのに頭のどこかが警鐘を鳴らしている。
何かが引っかかっている。
考えろ、一体何が引っかかっているのかを。
…………待てよ、ロストロギア探索の際クロキは模擬戦の時のように声を張り上げてはなかったはずだ。
正確に言えば、ここ最近のロ
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