St1.悲劇
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合試験の部屋ってここですか?」
俺が尋ねると、係員の女性は頷いた。
「はい。あなた達ですね。新しい適合候補者二名というのは。」
「あぁ、そうだよ。」
「すいませんが、まだ準備中なので一時間程お待ち下さい。」
「分かりました。」
準備が整うまでの間、俺達はさっきの話の続きを始めた。
時間が立つのは早いもので、すぐに準備完了のアナウンスがかかった。
最も、俺達は移動してないからわざわざアナウンスまでかける必要はないんだが。
『藤木コウタさん。適合試験の準備が整いました。』
「よし…行ってくる!!」
俺はコウタを見送って、一人になった席で手紙をもう一度見た。
ーー新型神器適合。
俺にとって、この言葉はなんか優越感があった。
何にしろ新型神器は適合候補者が少ない。
多分この極東支部では俺が初めての適合候補者だろう。
「………お、終わったようだな…ってあれ?」
俺はコウタが出てきたので見てみると、右腕に赤い腕輪がされていた。
そして、コウタはそこを左手で抑えて苦しそうにしていた。
「コウタ、大丈夫か!?」
「痛てて…あぁ、ヒビキ。これヤバいよ。超痛い。」
「は!?」
「ま、痛いのは一瞬だから頑張れ!!」
「どう見ても進行形で痛み引きずってるよな、お前。」
『神城ヒビキさん、お願いします。』
「ほら、呼ばれたぜ。」
「あぁ……行って来る。」
俺はコウタの様子を見て少し不安になった。
何だ?適合試験って危険なのか?
俺が扉を開けると、そこは機械製の部屋だった。
そして、部屋の真ん中には謎の赤いケースがあった。
「ようこそ、人類最後の砦『フェンリル』へ。」
俺は声がした方を見ると、金色の髪をした白いコートに身を包んだ男性がいた。
「これから、適合試験を始める。心の準備が出来たら、中央のケースの前に立ってくれ。」
…………やっぱり何か危険なのか?
まぁ怖がっていてもしょうがないからすぐにやるけど。
俺がケースの前に立って見ると、ちょうど腕を置くための窪みらしい部分があった。
どうやら、ここに腕を置けばいいらしい。
「………では、適合試験を開始する。…右腕を置いてくれ。」
俺が右腕を置くと、俺の右腕がケースに挟まれた。
次の瞬間、俺の右手に激痛が走った。
「……ぐっ!?…うあぁぁぁぁぁ…!!」
「ヨハネス支部長!!大変です!!オラクル細胞、暴走してます!!」
「な……何だと!?」
右腕に激痛が走る中、俺は聞いてはいけない何かを聞いた気がした。
そして、ケースが開くと俺の右腕にはコウタと同じ赤い腕輪が着いていた。
だが、俺が痛む右腕を上げると、腕輪はボロボロと崩れてしまった。
そして、腕輪のあった部分
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