第三話
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!ありがとうございます。では神田さんシチューを暖め直すのでここに座って待っておいてください」
なんとか最悪の事態は避けられたようだ。
しかし、依然としてマルトーの沸点が越えそうになっていた。
食べられたら何でもいいと思っていた神田だったが、出されたシチューは貴族に提供するものとあって非常に美味しかった。
(もしかしたら、ジェニーのよりも旨いかもな…)
神田は腹が空いていたのも手伝ってかなりの量を食した。
ごちそうさまとお礼を言い、先程の非礼を謝ると、マルトーは「腹が減れば機嫌も悪くなるもんさ」と笑いながら許してくれた。
そういえばもう一人の人間の使い魔、平賀才人はどこで食事を摂っているのか、神田は疑問に思ったが、すぐに自分には関係ないと切り捨てた。
シエスタやマルトーらに昼にもまた世話になると告げ、厨房を出るとキュルケがいた。
いつから待っていたのだろうか。
「朝食は満足に食べられたかしら?」
「おかげさまでな。…なあ、一度キュルケの部屋に戻らないか?」
春といってもまだ少し肌寒い。
神田の格好は上はノースリーブ一枚のみだったので体を震わせた。
対照的に目の前の彼女は少しも寒さを感じている風ではない。
これも「微熱」によるものなのだろうか。
「丁度良いわ。私もこれから授業の用意で戻るところなのよ。一緒に行きましょ」
少し時間が押しているため、はしたないと言われない程度に、フライで翔ぼうとする。
神田にもフライをかけようと思ったキュルケだったが、彼の脚力では必要ないらしい。
そしてキュルケの自室に着き、神田はコートを羽織り、キュルケは授業の準備を行った。
「これでオッケーかしらね。…やっぱりそのコートのこと教えてくれないの?」
「ああ、どうせすぐに居なくなる存在なんだ。キュルケが、知る必要はない。それより、頼んでいた俺の六幻はまだか?」
神田は彼女に自分の愛刀の所在を尋ねると、どうやら忘れていたようで神田から目を逸らした。
「え、えーと…すっかり、忘れていたわオホホホ。……ごめんなさい。すぐに取りに行くわ、と言いたいところだけど、見ての通り、これから授業なの。だから…」
「これから言うところに行ってくれ、だろ?」
「ええ、ここは広いから一応簡単な地図を書いておくわ」
彼女はペンと紙を取りだし地図を書いていく。
「まずは私とユウの愛の巣が出発地点で〜」
「何だそれはっ!?」
「別に間違ってはいないわよ。だって一つのベッドで一緒に寝たじゃないの」
その言葉に神田は深夜の事を思いだされ、顔を赤面させた。キュルケはニヤニヤと笑っている。
居心地が悪くなったのか、神田は何も考えず、チッ、と舌打ちを一つ吐き捨て部屋を飛び
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