第三話
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エクソシト 神田ユウが消えたという報が室長室にいたコムイに入ってきたのは、お昼時になり、食堂が賑わう頃だった。
手分けしてイノセンスの捜索を行い、ある探索部隊の一人が発見した旨を伝えようとしたところ、突然通信が切れたらしい。
コムイは驚きのあまり、思わず立ち上がった。
なぜなら、よく傷をつくって帰ってくる彼だったが、居なくなるというのは初めてだったからだ。
コムイはノアの仕業の可能性も考慮に入れ、頭を悩ませていた。
原因不明なところに焦燥に駆られる。
「クソッ!」
ドンッ、と拳を机に打ちつける音が鳴り響き、別件の報告で訪れていたリーバーは肩を震わせた。
「し、室長とりあえず落ち着いてください」
「この状況で落ち着いていられるのかい?江戸での一件以降、只でさえエクソシトは減っているんだ。打算を抜きにしてもベテランの神田君が消えたというのは非常にまずい事態だ!」
そう、江戸の件を経て黒の教団のエクソシトは10人以下になってしまった。
更に、その後の黒の教団本部襲撃事件により、甚大な被害を被っていた。
そして今回の神田ユウの消失である。
エクソシスト一人一人の動向を、中央庁に逐一報告しなければならない今、楽天的に構えている余裕はなかった。
リーバーも事情を知っている以上、それ以上は何も言うことができなかった。
頭の中で、整理がついたのかコムイは顔を上げリーバーの目を見据えた。
「この事は箝口令を敷いておくよ。もちろんリーバー班長、君もだよ」
「…分かりました。ですが、この後、神田と同行予定だったアレン達にはどう伝えましょうか?」
「そうだね。神田君は別の任務に就いたことにするよ。中央庁のハワード君には気を付けてね」
中央庁にバレたらどうするのかとリーバーは思ったが、コムイの瞳には強い決意が込められていて諭すのは無理だと悟った。
リーバーが退出した後、一人となった室長室でコムイは深い溜め息とともに、椅子に腰をかけた。
「神田君、今何処にいるんだい?……昔からリナリーと仲良くしてくれた君は僕にとって恩人なんだ。まだ恩を返せていないのに居なくならないでよ」
せめて連絡を……
呟かれたそれはコムイ以外誰かの耳に届くことはなかった。
前を歩くキュルケに着いて行くと、食堂の前に来た辺りで何かに気づいたらしい彼女は後ろにいた神田に向き直った。
「あ、あのねユウ、悪いけれど貴方は厨房でご飯を食べてくださらないかしら?」
彼女の言葉に神田は少し訝しんだ。
「平民とは食えねぇってか?まあ、俺としては腹に入ればどこで食っても構わねぇ。蕎麦があれば最高だが…」
「ソバ…?ってそうじゃなくて話が早くて助かるわ。…そこの給仕さん、ちょ
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