あたしの決意
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を開いた。
「あのね・・・今日・・・あたしの誕生日・・・」
そう呟いて、ルーシィは声を殺して泣いた。
その横には父親の為に作ったおにぎりが転がっていた。
〈やるよね・・・あの男なら・・・これくらい平気で・・・でも何で今更急にあたしを連れ戻そうとするの?あたしになんて興味ないくせに〉
ギュウ、と便箋にハンコを押す。
〈妖精の尻尾には迷惑かけちゃったなぁ。、ママ・・・あの人ならまたやるよね、同じ事を・・・お金の力で。それだけはあたし・・・〉
「お〜もぉ〜て〜えぇ〜」
ここは妖精の尻尾があった場所。つまりは跡地。
そこではギルド再建の為、メンバー総出で土木作業をしていた。
そして、ナツが12本ほどの木材を一気に持ち上げていた。
「1度にそんなに持つからだよ。バカじゃねーの」
右腕で木材を持つグレイを、物陰から見つめる少女の影が。
青い髪をくるんとカールさせ、暗い色合いの帽子にコート。
彼女の名はジュビア。1週間前まで戦っていた幽鬼の支配者のエレメント4の紅一点『大海のジュビア』だ。
「?」
グレイに・・・正確にはグレイとルーに負けた彼女は、元雨女だ。
行くところ行くところで雨が降り、その事から恋人にフラれた過去を持つ。
が、グレイによって・・・正確にはルーの風もあってなのだが・・・その雨を晴らされ、ジュビアはグレイに惚れているのだった。
彼女の頭ではルーなど存在していない。グレイ一色だ。
そんなグレイを物陰から見つめているのだが、グレイが視線を向けるとささっと隠れてしまう。
「ははっ!おめぇは軟弱だからそれが限界なんだろーなァ」
「ア?俺がその気になればテメェの倍はいけるっての!」
「おいフルバスター。挑発に乗る必要はないと思うのだが・・・」
通りかかったライアーの言葉は無視し、グレイは24本ほどの木材を一気に持ち上げる。
「お、おう・・・ど・・・どうよ」
見ている人全員が「無理してるな」と思うであろう表情だが、なんとか耐える。
そんなグレイを見てジュビアはパチパチと手を叩く。
「ん?」
しかしグレイが視線を向けると、ささっと隠れてしまった。
と、同時に、ガラガラと木材が落ちる。
「ぐほぉっ!」
崩れてきた木材の下敷きになるグレイ。
「なっさけなーっ!見たかハッピー、今の」
「あい」
「だから言っただろう・・・」
それを見たナツとハッピーは爆笑し、ライアーはやれやれと肩を竦めた。
そこに緋色の髪を揺らし、エルザが歩み寄る。
「おい、お前達。遊んでるヒマがあったらさっさと運ばんか。一刻も早くギルドを修復す
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