第七話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -花葬-【暁 Ver】
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事実に軽い頭痛を覚る。
「わかってますよ。……一つだけ気になる点はあります。あの時、『彼』の言い回しがどうも引っかかるんですよね。今は何とも言えませんが。ですが……言った筈ですよ? アスナの為だけに『力』を振るうと。アスナに実害がない限りは動くつもりはありません」
『それは……アスナ以外の人間がどうなっても関係ないと聞こえるよ』
「そう言ってるんですが?」
僅かな沈黙。睨み合うように黙り込む二人。その沈黙を破ったのはボブだった。
『……そのジャージ。一週間、同じもののような気がするが』
「え、そうでしたっけ」
桐生は全く意味がわからないという顔をする。
『勘弁してくれ。後でアスナに怒られるのは私なんだぞ? ……まさか下着も』
「パンツは二日前に取り替えましたよ? 問題ありません」
ボブは桐生を諭すために用意していたパターンの一切を放棄した。そして、彼にとっては一番効率的で桐生にとっては死刑宣告にも等しい手段に訴える。
『アスナに全て話す。それで正座させられて説教されると良いよ』
「……止めてください。それに説教って彼女は、何も言わずに私をじっと見てるだけなんですよ? 一時間も。普通に怒ってくれた方がまだマシです。……わかった、わかりました。きちんと着替えます。徹夜でしたし、このまま寝ますよ」
『風呂にも入ってくれ。昨日も入っていない筈だね』
桐生は何も言わず、片手をあげるだけで答え『工房』を出て行った。
『蓼食う虫も好き好きと言うが。アスナはなぜ、桐生に好意を寄せているのかさっぱり理解出来ない』
両手がないのが恨めしい。両手があれば頭を抱えてやるのに。……そこまで考えたところで、抱える頭すらない事に気づき、彼は再度溜息をついた。
あたしは空間シミュレーターの中でシグナム副隊長と対峙している妹のような親友を見ていた。隣にいるティアは幾分、緊張しているような気がする。自分と同じ戦闘スタイルでありながら自分よりも遙か高みにいる存在。最初は悔しかったし、嫉妬のような感情を抱いた事もあった。だが今は、不思議とそんな感情はない。自分に足りないものがあれば補えば良い。そして自分は今よりも、もっと強くなる。いつか──── 必ず追いつく。
今回はなぜか満員御礼。今日の模擬戦は六課隊舎内だけじゃなくて、他の課や部隊、そして本局の一部でも中継するらしい。……ギン姉も見てくれているはず。久しぶりにアスナにも会いたいって言ってたし。シグナム副隊長は強いよ? 『剣の騎士』の名は伊達じゃないからね、頑張れ。
あの模擬戦以来、伸ばし伸ばしになっていたが、やっと機会を得た。しかし……未だ
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