追想〜灼熱の斬撃〜
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「リーファのお嬢ちゃんか!?後ろ後ろ!!」
リーファの後ろへ忍び寄る二人のPKプレイヤー。・・・・・・速い、が、遅すぎる。
「らぁぁぁぁぁ!」
空中で体勢を整え、中空を踏みしめるレコン。跳躍による爆発的な推進と共に短刀を振り被る。短刀二連撃技『ペイン・スクラッパー』。一人は喉元に一撃。仕留めたが、もう一人はHPを削り切れなかった。回復するつもりだろう、後ろへ大きく跳び退り叫ぶ。
「くっそ!おい回復役(ヒーラー)!回復こっちにも回せ!」
しかし見ると、回復を担当している水妖精の数は攻撃役(アタッカー)に比べると圧倒的に足りない。幾人もの攻撃役相手にキューブリックが大立ち回りを演じている以上、そんな余裕は何処にも無いようだ。
「おいおい、まさか逃げられるなんて思っちゃいねぇだろうな?」
武装手甲突進系重攻撃『ヘビィ・ラリアット』。手首に備え付けられた刃が光を纏い、突撃する。その軌跡に巻き込まれたものは一切の抵抗なく上下に分断され、様々な色の残り火(リメントライト)に変わっていく。回復役を潰され、撤退しか出来ない相手を、レコンはさらに追い詰める。
「しゃああああああ!」
片手で短刀を逆手に持ち換え、ソードスキルを発動。踏み込みが地面を踏み鳴らし、厚い刀身が灼い輝きを放つ。通常の短刀スキルより大きい予備動作にPKプレイヤーは咄嗟に防御。
無駄だ。斬り裂く。
逆手の短刀を水平に構え、最小のモーションで振り抜いた。灼い帯状の残光が線を引き、防御に構えた大剣を両断する。左に振り切った短刀を順手に持ち換えさらに斬撃。灼熱の斬撃が、対象を微塵に斬り刻む。着々と彼らの総数は減っていった。
「ちくしょおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
PKプレイヤーたちのリーダーは怨嗟の雄叫びを上げる。なぜだ。ただいつも通り集まって騒いでいただけなのに。なぜこんな事に。
「あんたらの境遇に同情しない訳じゃない。だがな・・・・・・」
キューブリックの突進は一切緩むことなく、すでにリーダーの目の前にいた。黄色い刃が、低く唸り、迫る。咄嗟に跳躍で逃げようとするが、空中では既にレコンが短刀を構えていた。刀身は、もう灼く輝いている。手遅れだ。
「それが、人を踏みつけにして良い理由にはならない!」
灼熱の斬撃に両断され、全てのPKプレイヤーがリメントライトに消えた。
「ふう・・・・・・災難だったなぁ、疲れたぜ・・・・・・・」
最低限の索敵だけし、大の字に寝そべるキューブリック。レコンも、その隣であぐらをかこうとして・・・・・・・
「レコンーーーーーーー!」
どかっといった。
助走付きの派手な突進を敢行したリーファは、レコンの首に細い両腕をまわし、勢いのまま倒れ込む。レコンを下にリーファを上
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