暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第50話 レイナの憂鬱
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 本当に初めのころは、団長自らが、勧誘していたらしい。
 だが、攻略が進むのに比例し、巨大で強大なギルドになってからは違った。もう、勧誘する必要すらない。

 そう、ヒースクリフに憧れて……。
 最強ギルドに憧れて……。
 何より、副団長・副団長補佐に憧れて……。

 などの動機で入団するものが殆どだったのだ。彼が、勧誘する事などここ最近では、無かった事だったのだ。

「………」

 リュウキ自身は、まさか、自分が勧誘される……とは、まるで考えていなかった為、リュウキは少しばかり固まっていた。だが、直ぐに調子を取り戻した。

「……ありがたい誘いだが、断るよ」

 時間にしたら、固まっていたのは殆ど一瞬。直ぐにいつもの調子を取り戻し、断っていた。彼はこれまでも、誘われた事はある。ビーターと罵られても、彼の力は魅力的だからだ。
 何処かに所属するつもりは毛頭無い彼は断っていたのだ。

「……そうか……我々としては戦力はいつもギリギリだ。だから、君の様な優れたプレイヤーには傍にいてもらいたいと思っているのだがな」

 ヒースクリフは、ため息をし僅かだが落胆の表情を作った。だが、どうやら リュウキの答えは最初からわかっていたのか、と思える程、直ぐに表情を戻していた。

「悪いな。だが、……誘ってくれた事は素直にありがたい。それにオレ以外に良いプレイヤーはいると思うぞ」

 そう言うと、リュウキは立ち上がった。これが、今回の全てだと思えたから、此処から出る為に。久々行くつもりだった、ダンジョンへと戻る為に。

「……リュウキ君。私は、まだ諦めないが……良いかな?」

 ヒースクリフはもう背を向けているリュウキにそう問う。リュウキは、その言葉を聞いて振り返ると。

「構わない。……が、良い返事が返ってくるかどうか、それは保障できない」

 リュウキは、ヒースクリフにそう答えていた。

「ああ……。構わない。君とキリト君には是非我が血盟騎士団に入ってもらいたくてね」

 ヒースクリフは、この時初めて顔を緩ませた。それは、リュウキも同様だった。

「随分買いかぶってくれたものだが……。まぁ 良い。それにBOSS戦はオレも参加する。その時に改めてよろしく頼む」
「ああ。今日は、態々すまなかったな」

 ヒースクリフはそう言うと、リュウキは扉を開け、外へと出て行った。



 そして、この場所に残っているのはヒースクリフ1人。


 リュウキが出て行ったその後だった。

「リュウキ……か」

 ヒースクリフは、脚を組み……。姿勢を楽にした。リュウキと言うプレイヤーの事を考えていた。皆の前ではその力を100%出しているとは到底思えない。だが、何よりも気になっている事があった。
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