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ロックマンX1st魔法少女と蒼き英雄
第四話「ゼロ/ZERO]
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「それを返していただけませんか……?」
「……?」
やけに丁寧な物言いだと思ったが、目的は同じようだ。
「あんたには悪いが、これも任務だ。コイツは譲れない」
「どうしても、ですか……?」
「……だとしたら?」
「……!」
少女はバルディッシュを展開しようとしたが、次の瞬間。
「動くな……!」
「!?」
彼女の背後へゼロが回り首へナイフが突きつけた。
「……!」
抵抗しようとしたが、彼が手にもつナイフに当たり下手に動けない。
「下手に動くと、首をへし折るぞ?」
怖いのはナイフだけではない。彼女の腕に絡みつくゼロの両腕である。彼がその気になったら同い年か少し年上の骨ぐらいは軽く折れる。
「……返して!」
「……?」
「ロストロギアはどこ!?」
感情的になった少女はゼロへそう訴えるが、騒ぎになっては困るので彼女の後ろ首に手刀を打ち、気絶させた。
「一体コイツは……ん?」
少し焦ったと、ゼロは少女の顔を宥めると、ある人物と重なった。髪の色や外見は似ていないが、どこかしら雰囲気があの少女と重なった。
「アイリス……?」
昔幼馴染だった少女のことを思い出した。しかし、彼女とこの少女が似ていることだけは認めづらかった。
「……いや、彼女はもっと明るく、俺を癒してくれた存在。こんな無表情な女とは違う。だが……何故だ?どういうわけか似ているように思える」

「……?」
次に少女が目覚めると、そこはあるマンションの一室であり、ベッドに寝かされた。寝室のようだが、ベッドとタンス以外他には何もない寂しい部屋だった。
「ここは……?」
すると、台所の方から調理する匂いが漂い、彼女の鼻をくすぶった。
「美味しそうな匂い」
空腹であり、その匂いに誘われてベッドから起き上がり食卓のテーブルへと向かった。今もテーブルと椅子が二つ、食器棚と最低限の家具しか置かれていかった。殺風景な部屋と、台所には、
「……!?」
台所には、先ほどの金髪の少年が自分に背を向け、エプロン越しに調理をしている姿が目に映った。
「……目が覚めたか?」
ゼロは、炒め終えたパスタを2枚の皿に盛り付けてテーブルへと運び、水とコップを用意した。
「ど、どうして私を?私を、どうするつもり……?」
そう警戒し、バルディッシュを取り出そうとしたが、
「無い……!?」
「ああ……あの杖なら預からせてもらった」
「か、返して!!」
命のよりも大切なバルディッシュを取り上げられてしまい、また感情的になる少女だが、
「そう焦るな……あんなものを振り回して暴れてもらっては困る。大家のおばさんがうるさいし……」
「……お願い!返して!?」
「わかった。後で返すから、そのかわりに俺の質問に答えろ。いいな……?」
「……本当?」
少し信用できないが、何も
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