第四話「ゼロ/ZERO]
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ェイトは玄関へと向かって歩きだしたのでゼロはそんな彼女を呼び止めた。
「待て、何処へ行く?」
「自宅に帰るけど……?」
「今夜はもう遅い、泊っていけ?」
「え、え……!?」
するとフェイトは急に顔を赤くして驚いた。ゼロにしてはちょっとした心遣いで言ったのかもしれないが、フェイトにしては別の意味に捉えていたらしい。
「どうして驚く?」
「そ、その……」
「勘違いするな、お前の身が不安なだけだ……」
「そ、そうなの?」
「嫌なら、家まで送っていくが?」
「……ううん、泊って行ってもいい?」
バルディッシュを返してもらい、ジュエルシードまでもくれたのだから断ることもできなかった。それに、このゼロという少年は自分みたいに不愛想だが、悪い人間ではないようで、どこか優しい感じがした。
食事を終え、ゼロは彼女へ寝室へと招いた。しかし、フェイトはベッドに横たわるものの、ゼロは冷たい床に横たわっていた。
「ベッドで寝ないの?」
「お前に貸す……」
「風邪ひくよ?」
「気にするな……」
「でも……」
「……」
どうしても心配して寝てくれないようだったので、少しの間だけベッドに上がり、彼女の横で寝た。すると、フェイトは安心したかのように、スヤスヤと寝てしまった。
「寝てくれたか……」
ゼロは起き上がり、彼女の寝顔を見つめた。すると、このいたいけなフェイトの寝顔が自分の幼馴染と重なってしまった。
「……アイリス?」
だが、寝ているのはフェイトだ。幼馴染ではない。
「……」
ゼロはフェイトの鮮やかな金髪を撫でると、ベッドから離れて床へ横たわった。
「……あったばかりの男女が添い寝なんて駄目だろ……?」
そうゼロが遠慮し彼も眠りについた。
そして翌日、フェイトを心配して彼女の使い魔のアルフが勢いよく押し掛けてゼロの胸倉をつかんだことは言うまでもなかった……
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