一部【スサノオ】
三章【ログイン】
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歩みを止めると、目の前には『F-121503』と書かれた部屋があった。
哲二に圧倒され気付かなかったが、他にも同じような番号が振られた部屋が連なっていた。
「俺の部屋、ですか?」
「そう、今日から君はこの部屋で暮らし、この部屋でフロンティアをプレイするんだ!」
哲二は零司にIDカードを催促すると、それを使いドアを開ける。
「ようこそ、フロンティアへ!」
広い室内には生活に困らないだけの家具。
そして、部屋の片隅には手術台にもにた機械仕掛けのベッドが一つ。
「さぁ、まずはログインの仕方から説明しよう!そこに寝てくれ!」
哲二が指差したのはその機械仕掛けのベッドだった。
「え、あ、はい」
訳もわからないまま横になる零司。
すると、哲二はおもむろにそのベッドについていたバイザーのついたヘルメットを零司に被せる。
「おわっ!」
いきなりすぎる行為と暗闇にに思わず大声をだしてしまう。
「ちょっとまっててねぇ!いま準備するから!」
そういうと、何やら作業をはじめる哲二。
カチャカチャと機械的な音がするが、暗闇の中何をしているか知るすべはない。
「よし、準備完了!さ、はじまるぞ!」
勢いよく回り出す排熱フィン。
すると、暗闇から一転、零司の目の前にはゲームのような背景画像が広がった。
《あー、あー、テストテスト!…聞こえるかい?》
「は、はいっ」
いきなり耳元に聞こえた哲二にまたもや驚かされる。
《まず君にやってもらいたいのは簡単なキャラクターメイキングだ!その辺のやり方は最近の子だからわかるよね?操作方法は簡単だ、こうしたいって事をイメージすればいい!そう、さながら手足を動かすように自然にね!》
「わかりました、やってみます」
戸惑いながらも、言われるがままに始める零司。
すると、哲二の言葉の通り髪型、顔、体格、すべてが簡単に形成されていく。
「あの、できましたけど…」
《よし、じゃあフロンティアを始めようか!プレイ方法はあっちの惑星でゲームマスターに教えてもらうとい!》
「えっ…あっちの惑星!?」
《さぁ、いってらっしゃい!》
「ちょっ!えぇっ!?」
強引でなげやり。
再び零司の視界は暗転した。
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