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目を閉じると いつでも彼女はそこにいて
半分頂戴と悪戯に微笑む
そして僕は何も言えずに差し出すんだ
目を開ければ
もちろん誰もいない
声も消えてしまった
急に寂しさに襲われた僕は
袋に入ったアイスを 粉々に砕いた
混ざり合った二本のアイスを見て
何とも言えない感情がこみ上げる
一つ口に入れると
冷たさと いつもの味が広がる
彼女に合う前は これを一つ買えば
一人で二人分食べれると 得した気分だったのに
今の僕には多すぎて
足元を這う アリの行列に一欠片 分けてあげた
自転車に跨がり
ペダルを漕ぐ
錆びついた この自転車の音を
無性に聞きたくてたまらなかった
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