2
[8]前話 [2]次話
お下がりの自転車は
錆び付いているせいか
ペダルを漕ぐたびに 甲高い音を上げる
耳障りで五月蝿くて
嫌いなはずだったのに
何故だか 激しく脈打つ僕の心を
落ち着かせてくれていた
真っ直ぐに伸びる道を
ひたすらに進む
帽子を脱ぎ
手の甲で額の汗を拭った
それでも汗は止まらない
帽子を被ってきたのは正解だった
雲ひとつない青々とした空に
自己主張の激しい太陽が
容赦なくアスファルトを焼いている
・・・・。
彼女と初めて出会ったのも
こんな暑い夏だった
白いワンピースに麦藁帽子
長い黒髪に真っ白な肌
こんなにも美しい人が
実際に存在してるなんて と
一目惚をした
それは
中学一年生にして
僕の初恋だった
・
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ