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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
エタルドイレブン
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反射しながら雪の様に道路に降り注ぐ。

ギリギリと歯を食いしばり剣を押すシグナムとクロエ。どちらが上か、どちらの奥義がより高みへ至っているのか。そんなくだらない勝敗が、今この瞬間だけは気になってしょうがなかった。

初めて戦った時は剣が耐えられず決着はつかなかった。では、2度目は?

結果は―――残念ながら、一度目と似た結末となった。

びしり、という金属の割れる異音と共に、レヴァンティンが砕け散った。剣士にとって武器が折れることは、敗北と同意義だった。エタルドの耐久力が無限である以上は分かりきった結末でもあったが、それを二者は知らない。
ばらばらと手元から崩れ落ちる破片を、シグナムは友人の死を悼むように見送る。

「・・・レヴァンティン。今まで、よく持った方か・・・」
「・・・・・・シグナムさん」
「何も言うな。剣士にとって剣は魂。剣が砕けたなら、それは私の魂がお前に及ばなかったと―――」

そう言いかけ、口を噤む。目の前に鈍い黄金色の光沢を放つ剣を掲げる様に突きつけたクロエが待っていたからだ。その目は「まさか、それで終わりなんて言わないだろうな」とでも言うかのように未だ闘志が漲っている。

「エタルドと対を成す剣、ラグネル・・・この剣を使われよ」
《良いのか、少年?ラグネルは女神の祝福を受けた剣・・・バリアジャケットに残る加護を打ち消すぞ》
「そのほうが、いい。戦いは常に・・・勝つか負けるか」

シグナムは一瞬迷ったが、その剣を受け取った。

自分はもうすぐ消える。いや、消えなければならない。この世界のこの時代には既に自分の役目を承ったシグナムがいる。そして主は幸せに過ごしている。ならば自分は―――主を救うために奔走した自分はこの世界にいる必要が無い。
役割が無い事に不満は無い。自分に役目が無いのならばそれは平和の証なのだから。だが、一つだけ心残りがあった。―――矜持だ。

自分はシグナムという一人の剣士として、現在を生きるシグナムとは別に意志を持って存在していた。例えなかったことにされたとしても、確かに自分は此処にいたのだ。その証を残したかった。ヴィータはその証を心に刻み込む運命の相手に高町なのはを求めた。シグナムはフェイトを相手にしようかとも思っていたが、この見知らぬ剣豪に強敵(とも)として心に刻まれるならばそれも良しと思っている。だからこそ、最期は騎士としてではなくシグナムとして戦いたかった。

烈火の将シグナムとしてレヴァンティンを握るのではなく、シグナムとしてこの剣を握る。砕けた自分の剣の事を思うとなかなか皮肉が効いているが―――それもまた良し。



 = = =



管理局の船が襲撃された。そう離れたところからクロノさん達に連絡を取っていたユーノ君から聞いた。その所為
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