第六話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -初花-【暁 Ver】
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とする人間がいる限り、世界から排除するのは難しいのかも知れない。その為の努力を惜しむつもりはないけど。
しかし益々、わからない。あたし達が呼び出された理由が。あたしの疑問にエヴァット三等陸佐は、幾分言いづらそうな態度で口を開いた。
「……『Heavens Door』って聞いた事はないか?」
聞いた事は──── ない。なんだろうか。エヴァット三等陸佐は、益々言いづらそうな態度でいたが、やがて意を決したようにあたし達へと説明する。
「セックスドラッグだ。詳しいことは言えないが、違法研究所で生み出されたものなんだが……。ドラッグと言っても正体はナノマシンでな。男には効果は無く、女に投与すると……性的興奮状態に陥る。快感も数倍になり……正に『天国への扉』ってわけだ」
「……先輩。言葉には気をつけて下さい。局員と言っても女性なんですから」
ここまで黙って話を聞いていたスギタ二等陸尉が、エヴァット三等陸佐を咎めた。それを聞いた彼は悪い悪いとでも言うように手のひらを振る。
「それでな。遺品の整理をしていた家族が大量のアンプルを発見してな。管理局に届けたんだ。んで、ヤツの家を調べたら……ヤツの端末から十数人の女のデータが出てきた。ヤツの被害にあった、若しくは……これからあう予定と思われる女のデータが」
……もの凄く嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「その中に……嬢ちゃん達のデータもあってな」
やっぱりか。
「至近距離から8発の鉛玉。しかもわざと頭や心臓を外している節があってな。俺らは怨恨の線で追ってる。Heavens Doorを使われて無理矢理……被害にあった女の可能性は十分にある。んで、嬢ちゃん達に話しを」
「言葉には気をつけた方がええで」
驚いた。今まで一言も口を挟まず聞いていた八神部隊長が口を開いたかと思えば、地の底から聞こえてくるような声を発した。普段の柔らかい雰囲気は消え失せ、エヴァット三等陸佐を鋭く睨み付けている。911分隊の二人も最初は驚いたようだが、エヴァット三等陸佐も負けじと八神部隊長を睨み返していた。その時、険悪な雰囲気を払拭するようにスギタ二等陸尉が言葉を発する。
「八神二等陸佐。お怒りになるのはごもっともです。ですが、僕も先輩も最初から彼女たちを疑っているわけではありません。どうかご理解下さい。酷い殺され方でしたので……先輩も気が立ってるんです、腐っても身内ですから。本当に正気の沙汰とは思えませんよ……抜いて見てみたいですね」
「はぁ?」
……何を? 全員に注目され、スギタ二等陸尉は恥ずかしそうに頬を人差し指で掻いた。
「あ〜、いや、脳を……」
「どうしたんだ? 普段、言
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