第二十一話 誇り高き怒り
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かった」
キリトはそう言うと、前方を見つめた。
シリカも釣られるように前を見ると、ちょうどそこにはセイバーが不可視の武器を振り切った姿で立っている。
セイバーの前には、歩く花のような表現しがたいモンスターが今しがた倒されたようで、ポリゴンを撒き散らしながら消滅していた。
「此処一帯の敵は排除できました。先を急ぎましょう」
セイバーは振り向きながらそう言い、キリトとシリカを促した。
「さ、俺達も行こう」
キリトはシリカへ微笑みながら言った。
シリカはキョトンとした表情でキリトを見つめたが、やがて大きく笑みを浮かべて、シリカは返事をした。
「あ…はい!!」
キリト、シリカ、セイバーの即席パーティーは、セイバーを中心に思い出の丘へと快調な滑り出しを見せていた。
「(待っててね…ピナ!!)」
シリカは心の中でそう叫ぶと、二人と共に歩きだして行く。
自らの一番の友達にもう一度会うために。
だが、その影である人物がその光景を眺めていた。
まるで、全ての恨みを彼等に注ぐかのように。
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「これで……ピナを生き返らせるんですね……」
シリカは感動を抑え込みながらキリト、セイバーへと問いかける。
「ああ。心アイテムに、その花の雫を振り掛ければいい」
シリカは、その言葉に胸を弾ませた。
此処に来る途中、キリト達は何度か戦闘行ってきた。
ほとんどの敵はセイバーの前では、一刀の元に切り伏せられてきたが、中にはシリカを宙づりにして捕食しようとした奴もいた。
だが、シリカの捨て身の攻撃でその難を逃れていた。
捨て身といっても、シリカがスカートを抑えていなかっただけなのだが。
《思い出の丘》へと到着し、無事に《プネウマの花》を手に入れたシリカは、涙を眼に浮かべながらキリトへと問いかけた。
ようやく長年連れ添ってきた友達と再開出来る!!
そう考えると、シリカは弾む胸を抑えきれなかった。
「ここはモンスターも多いですし、街に帰ってからにしましょう。もう少しの辛抱です」
「はい!」
シリカは頷くと、メインウィンドウに華をしまう。
アイテム欄に格納されたことを確認するとそれを閉じた。
此処からは徒歩で帰還。
本当は転移結晶で一気に帰還したかったが、高価なクリスタルを使うのはギリギリの状況でのみ。
此処はグッとこらえて歩き始める。
行きと同じではあるが、モンスターには出くわすことなく街道近くの小川にかかる橋へと差し掛かった。
とその時だった。
「キリトさん?」
不意に後ろからキリトの手が肩にかけられた。
一瞬ドキリとしたが、キリトの険しい表情を見てシリカは怪訝になって声をかける。
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