第二十一話 誇り高き怒り
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の外から、キリトの声が聞こえた。
シリカは、急いで装備メニューからチュニックを身にまとうと、扉を開ける。
「あ……キ、キリトさん……あの…ど、どうかしたんですか?」
焦る気持ちと、慌てた口調でキリトに問う。
「あ――――セイバーがさ……明日の事について、少し話したほうが良いって言ってきてさ」
そう言うとキリトは、チラリと扉の蔭へと視線を移す。
ゆっくりと扉が開き切ると、そこには昼間と変わらず鎧を纏ったセイバーが立っていた。
「申し訳ありません。ですが、シリカは明日初めて四十七層へ向かうとの事。少しでも情報を共有しておいた方がよろしいかと思いまして」
セイバーはそう言うと、どこか気まずそうな笑みを浮かべて、キリト、そしてシリカへと視線を向ける。
「い…いえ、そう言う事なら。あの―――よかったら、お部屋で……」
シリカはそう言うとキリトとセイバーを中へ招き入れた。
「悪いシリカ…夜更けに話そうだなんて。俺も大袈裟だって言ったんだけど」
「キリト、何事も油断は禁物です。念には念を入れておいた方がよろしいかと」
「う――――――うん…まあ、それもそうなんだけど」
キリトとセイバーが言い争い―――――とは言ってもセイバーが一方的にダメ出しを送っているだけなのだが、シリカにはその光景がどこか楽しげに見えてしまう。
「あ……あの!はじめませんか」
「あ…ああ、ごめん」
シリカは、いつもならあまり出さないような声を出してしまった。
これにはシリカ自信も驚き、思わず頬に両手を当てる。
キリトも若干驚いたのか、身を引いてしまう。
「そうですね、そろそろ始めましょう。明日はなるべく早く行動したいですし。睡眠時間はあまり削らない方が良い」
セイバーは動じていなかったのかそう言うと、自ら仕切りキリトに説明するよう促した。
「ああ……それじゃあ――――――――――」
キリトは水晶玉を取り出し、それを実体化させホログラフィックの地図を出現させた。
指先を使いながら地理の説明、そしてモンスターの説明を始める。
シリカはその落ち着いた口調に柔らかい気分になっていくが、側で控えているセイバーにやはり目線が行く。
「(あんなに楽しそうに話している……って事は)
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「シリカ?」
「!……は、はい!?」
キリトに声をかけられ、シリカは意識を戻される。
「大丈夫か?やっぱり辛い?」
キリトはやさしくシリカへと問いかける。
「い…いえ!そんなことありません!」
シリカはそれに思わず大声を出して答える。
その光景にキリトは眼を丸くしつつ、笑みを浮かべるとゆっくり頷いた。
「そっか、大丈夫なら良
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