月光校庭のエクスカリバー
第31話
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言う通り有用な使い魔を手に入れた方がいい。使い魔の役割は主のサポートなんだ。長所を伸ばせる奴や短所をカバーできる奴をな。特にお前は短所が多いからそこを補える方がいい。
たとえば空を飛べる使い魔とか」
未だ悪魔の翼で飛べないこいつを乗せて飛べる奴なんか悪くないと思う。それに普段の契約でも移動に適している。転移できず、むしろ自宅訪問型デリバリー悪魔の地位を確立しているこいつにはちょうどいい
。
「そうは言ってもな」
「参考程度に言ったまでだ。最終的に選ぶのはお前だ」
「そうか。サンキュ。・・・うーん」
そのまま考え込んでしまった。
これは前途多難な使い魔探しになりそうだ。
◇◆◇
まず最初に来たのは森の中にある泉だ。泉の水は透き通っており全く汚れていない。これだけ綺麗なら飲み水として生き物が集まりそうだ。
「この泉には水の精霊『ウンディーネ』が住みついているんだが普段は人前に姿を現さない」
精霊が住みついているほどの泉か。今の世界じゃそうお目にかかれるものじゃないだろう。悪魔世界は知らないが。
隣のイッセーの顔は盛大ににやけている。ウンディーネと言えば四大精霊の水を司っている精霊で美しい女性の姿で描かれることが多い。こいつのご希望通りともいえる。
それに精霊なら魔力的なサポートも望めるためこいつには持って来いだ。使い魔にできるかは別問題だが。
草葉の陰から観察すること数分、泉の中央が輝きだした。
「お、ウンディーネが姿を現すぞ!」
その言葉と共に光の中央から静かにウンディーネが浮き上がった。
その姿は綺麗な髪と羽衣を身にまとった―――巨躯な存在だった。
その体は鍛え抜かれたボディービルダーのように強固であり、その皮膚は歴戦の戦士の如く傷を刻んでいた。
絶句した。イッセーのようなエロ全快な想像をしていたわけではないが、一般的にウンディーネは美しい姿だとされている。
だがあれは、美しいというより逞しいと言う部類だ。力比べをして勝てる気がしない。
「あれがウンディーネだ!」
できれば違ってほしかったがそうはいかないらしい。
「いやいやいや!あれは水浴びに来た格闘家だって!地面殴ったら地割れを起こせるって!」
イッセーが全力で逃避している。認めたくないんだろう。
「精霊の中でも縄張り争いがあるからな。自身の縄張りを守るために鍛えたんだろう。うん、打撃に秀でたウンディーネも悪くない」
「悪い!癒し系と言うより殺し系じゃねーか!」
涙を流しながら言うイッセー。
「まぁ、あれだ。ウンディーネは美しい女性の姿とされているが例外と言うのもある。あれはそういう類だろう」
今回はイッセーのフォローに回る。さすがにあれは可哀そうだ。
「だがあれは女性型だぜ?それもか
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