一部【スサノオ】
一章【オンラインゲーム】
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立ち上がり、鞄を持つとズカズカと部屋をでる。
「着替えくらいしたらどうなのっ」
「これはパジャマ兼私服なんだよ!」
勢いよく自室のドアを閉めると荒々しく階段をかけおり、家をあとにした。
「まったく…」
相変わらずの態度に、再び肩を落とす母。
「これで、ちゃんと働いてくれたらいいんだけど…」
※
受付を終え、どかっと検索機のまえに座ると、気だるそうに零司は画面をスクロールさせていく。
なんの変化もなく、たんたんと連なる退屈そうな職業の数々。
もちろん、その中に零司の興味をひく職業などありはしなかった。
「んっ…ふぁぁ…」
あまりの退屈さに思わず出てしまう欠伸。
「つまんね…」
遊びながらお金をもらえる職業があればいいのに、と頭で思うとその考えの馬鹿馬鹿しさに思わず笑えてくる。
「まぁ、物は試しに…」
ふざけ半分。
零司は検索欄に『ゲーム』と打ち込むと検索をかける。
「……ふっ」
候補を見ながら、こぼれるあきれ笑い。
プログラマーやデザイナーなど、ゲーム関係の職業があっても、彼が思うような『遊んで稼げる』職業等あるはずもなく。
「何やってんだ俺…んな仕事あるわけ……ん?」
ふと目に飛び込んできた信じられない文字。
【急募:ゲーム好き遊び好き】
「なんだこれ?」
興味本意に開くと、そこにはさらに信じられない内容がつづられていた。
職務内容:オンラインゲームプレイ
就業時間:フリー
学歴・職歴:不問
給与:功績によりけり上限なし
休日・祝日:参加自由のため定めなし
定員:定めなし
「マジか…どんだけだよ」
常識的にあり得ない募集条件。
明らかに詐欺…いや、まさか職業案内所に、という葛藤に思わず固まる零司。
あまりの怪しさに、さらに画面をスクロールすると、止めと言わんばかりに信じられないことがそこに記されていた。
募集企業:国家保安連盟
「おいおい…冗談だろ」
『国家保安連盟』それは、彼のすむ世界の最高権力。
到底、職業案内所などでは目にできるものではなく…。
詐欺でも何でもいい…むしろ詐欺ならそんな大それた機関の名前をだす大馬鹿野郎の顔を見てみたい、と…初めてゲーム以外で胸が高鳴る。
迷いなくそれを印刷すると、足早に受付へともっていった。
「あの、すいません…ここの面接受けてみたいんですけど…」
零司が出したそれを見て、「またか」と言わんばかりに眉を歪めると、零司に番号の書かれた紙を渡した。
「では、番号でお呼びいたしますのでそちらの席にお掛けになってお待ちください」
「あ、はい…」
言われるままに席に座ると、零司の頭に色
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