暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
Secret of kings 王達の矜持
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焦点が合ってくるのと同時に、レンは思わず息が詰まるのを感じた。

肌は、闇妖精(インプ)の特徴である、影部分が紫がかった乳白色。長く伸びたストレートの髪は、濡れ羽色とでも言うべき艶やかなパープルブラックだ。

胸部分を覆う黒曜石のアーマーは柔らかな丸みを帯び、その下のチュニックと、ヴォルティスが生み出した爆風にはためくロングスカートは矢車草のような青紫。腰には、黒く細い鞘。

ユウキ。《絶剣》ユウキ。

六王の末席にして、キング オブ ノーマルと呼ばれる、六王の中で唯一ユニークスキルを持っていない者。

ノーマルなくせに、ノーマルなのに、アブノーマルな強さを持った者。

整ったその顔にはいつもの、それこそ涙が出るほどに懐かしき無邪気な笑みが浮かんでいた。どこか、悪戯がバレたような、そんな笑み。

ごめんね、と。

その笑顔は言っていた。

約束を破ってごめんね、と。

そんなことはない。そんなことはないのだ。

謝るのはむしろ、どちらかと言ったら僕のほうだ。

なぜなら僕は、たった今まで自らの命を諦めていたのだ。生きて帰って来てという約束を、破ろうとしていたのだ。破ろうと、していたのだ。

だから、そんな顔をしないでくれ。

約束を破ったのは、僕の方なのだから。

鏡で見たなら、ほとほと情けない顔をしているだろうレンに向かって、ユウキは静かに

「来ちゃった」

言った。
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