暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
Secret of kings 王達の矜持
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ンの役割は、もう、終わった。

完全に、終わってしまった。

ぼやけていても、焦点が合っていなくとも分かる。

自らの矜持(プライド)を、門を守護するという信念を強引に捻じ曲げられた騎士達の憎しみの矛先は、今や自分ただ一人に向けられていた。

怨恨、怨嗟、慟哭、悲嘆、絶望。全ての負の意思が詰められた視線が、集中する。

次いで、天高く上げられる憎悪の咆哮。

斬撃(スラッシュ)刺突(スラスト)単焦点追尾(シングルホーミング)型、多焦点追尾(マルチホーミング)型、広範囲曲弾道(エリアバリスティック)型魔法。

ALO、アルヴヘイムに存在するありとあらゆる種類の攻撃が襲い掛かってくるのを、レンはありありと人外の感覚器官で捉えていた。だが、それでも、レンは動かなかった。

動けないではなく、動かない。

他意なくして、故意。

ここで死ぬのも運命だと、悟ったように。諦めたように。

《冥界の覇王》と呼ばれた少年は

形見のマフラーと、その仇の遺品であるコートを着た少年は

小日向蓮と呼ばれる少年は

ゆっくりと、その目を瞑った─────




ゴゴぉオごがアアァァアああアァぁぁァァッッ────ッッッ!!!!!!!



鼓膜が一瞬にして爆発するような、世界が一瞬にして崩壊せしめんとするかのような爆音が響き渡った。

それは神の吹き鳴らすラッパのように、レンの意識を一気に根底から引きずり出した。

白銀の光が、下層から一気に立ち上がり、全てを白熱の名の下に破壊し尽くし、壊し尽くした。今まさに襲い掛からんとしていた騎士達の身体が光の本流の中に成すすべもなく飲み込まれ、微細な光の粒子となって消えていく。

その光の粒子さえも、他の騎士たちの身体に付着した途端に爆発し、次々と破壊の権化とも言うべき地獄が広がっていく。

その一撃は世界の本質すらにも大いに干渉し、上下を反転させ、ルールすらもぶち壊される。

ドームの壁面を包む世界樹の根っこが、内側から弾け飛ぶ。

それが皆、重力に真っ向から反したように持ち上げられ、一つ一つが銃弾のように騎士達に突き刺さり、そして見事に貫通した。

目の前で展開される破壊の光景を網膜に焼きつかせながら、レンはああ、と呟いた。

同時に目の前に舞い降りるは、彼方にいる巫女装束を着た闇妖精(インプ)ではなかった。

白銀のフルプレートアーマーでその身に包む、銀髪金瞳の偉丈夫。

筋肉の塊のようなそのゴツい手に握られているのは、ちょっとした食卓ほどもありそうな両刃の戦斧。

その背から生えているのは、現存する妖精九種族中のどれにも当てはまらない、白き翅。

その男に向かってレンはもう一度、ため息ともつかない呼気を、吐息を
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