第15話:ギャップに萌えると言うけど限度があるからね!
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けど、ザイル(男がって意味)が一目惚れするのも頷ける。
「ほら……やっぱりベロニカじゃん!」
「うっさいわね! もう判り切ってたんだから今更言わないでよ……性格悪いわね!」
違うな。ベラは性格が悪いんじゃない……KYなんだよ。致命的なKYなんだよ!
「ねぇベロニカ……どういう事なの? 何でこんな事しでかしちゃったの!? 突然村を出て行ったから心配してたのに……何でポワン様に敵対するような事をしてるの!?」
「うるさい! 私があの村でどんな迫害を受けてきたか、脳天気なアンタには解らないでしょう……魔族とのハーフエルフの私は、村に馴染もうとしても苛められるのよ!」
「そ、そんな……私とは楽しく過ごしてきたじゃない!?」
「アンタは自分しか見えてないから気付いてないのよ……他の連中は私の事を『ダークエルフ(暗黒妖精)』と呼び罵ってるのよ!」
酷いな……血筋なんて関係ないのに。
俺なんて王族だけど、前世でのパンピーが染みついてて、高貴な振る舞いが出来ないんだよ。
「それに……アンタと楽しく過ごしたって言うけど、楽しかったのはアンタだけだからね! ヒャド系の魔法が得意な私に、自分のギラを教えようとしたり……熱いのが苦手な私に、熱い温泉に入らせたり……全然私の事を理解しようとしてないじゃないアンタ!」
それがKYだ。仕方ないだろう……
「そんな……言ってくれれば「言ったわよ! 他のエルフに苛められてる事も、アンタの進める事がどれも苦痛な事も、全部言ったわよ! でもアンタ『やだぁ〜、ベロニカってば面白い! 冗談が上手いわね』って笑い飛ばしてたでしょ!」
マジかよ……
「え、アレってば本当の事だったの?」
記憶にあんのかよ!?
怖いわぁ〜……無意識の苛めって怖い!
「でも……だからって春風のフルートを奪い、冬を永遠に継続させようとするなんてダメよ! 冬だけじゃ世界は滅んじゃうんだよ」
「え、冬だけじゃ世界は滅んじゃうの!?」
ベラの悲痛な訴えに、驚いて声を上げたのはザイルだった。
「ちょっと……ザイルちゃん本気!? ずっと冬が続いたら、植物が育たなくて食べ物が無くなっちゃうでしょ」
「で、でも……俺は肉食だし、植物がなくても食べるのには困らないけど……」
あれぇ〜……もしかしてザイルってば筋肉馬鹿?
「ザ、ザイルちゃんがよく食べる牛肉……あれは牛の肉なのよ。そして牛は草食動物で、牧草地とかの植物を食べて生きてるの。つまり植物が育たない環境になると、食肉の確保も出来なくなり、行く行くは食べる物が乏しくなっていくのよ」
食物連鎖ってヤツだ。
「ベロニカ……そこまで理解してて何でフルートを盗んだのよ!?」
「わ、私が盗んだんじゃないわよ! ザイルちゃんが私の境遇に共感して『よ
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