暁 〜小説投稿サイト〜
私立アインクラッド学園
第二部 文化祭
第48話 期待と絶望
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ったのに。大好きだったのに。
 気づけばまりあは、口ずさんでいた。


 ━━ひとりが寂しいのは

 当たり前なんだけど

 ふたりが寂しいのは

 ごめん 初めてなんだ

 ━━おかしいでしょ?おかしいけど

 嘘のひとつでもつかなくちゃ

 繋いでた手 離せない

 "私はもう大丈夫"

 ━━"1年2ヶ月と20日"

 キミは憶えていますか?

 初めて出逢った日を 気持ちを伝えた日を

 だけど今日の日は「サヨナラ」

 何が足りなかったのかな?

 ゴメンなんて謝らないで

 その声に私… 恋したんじゃない

 ━━本当は離れたくないよ

 本当は大丈夫じゃないよ

「嘘だよ」って「バカだな」って

 笑ってほしいよ

 でもキミの心に私はいない

 最後にせめて say goodbye

 じゃなきゃきっと 私きっと

 キミを引き止めちゃうから

 ━━"1年2ヶ月と20日"

 本当にあっという間だった

 キミに会えて良かった 好きになって良かった

 優しくしないで

「サヨナラ」ちゃんと言えなくなっちゃうから

 ゴメンなんて謝らないで

 だから ねぇ 早く…

 泣いちゃう前に

 ━━春夏秋冬 季節巡り来る

 何故 何故 恋には終わりがあるの

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 その時ふいに、和人がこちらを振り向いた。漆黒のグローブに包まれた左手を、微笑みながらまりあに向けて振る。
 それは、まりあが恋した笑顔。まりあの大好きな笑顔。まりあが思わず━━期待してしまう笑顔。以前は嬉しかったその笑顔も、今は見ていられないほどにつらい。和人が、あまりにも遠すぎる。
 まりあが無反応なことに驚いたのか、和人は振っていた手を止め、きょとんとこちらを見つめている。
 本当にやめてほしい。

 だって そんなこと

 あるはずないのに

 ほら、また期待してしまうから
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