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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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とするガイだが、蓮助はそれを軽く避ける。しかしガイとて避けられることを考えていなかったわけではない。地面に激突した拳を軸に体を折り曲げ、ばっと素早く蹴り飛ばす。腕でガードしたものの僅かに靴底で地面に痕を残した蓮助は小さく呻き声を上げた後、ガイを睨んだ。隣では蓮助を気にかける暇もなく、レミがハッカの素早い攻撃に対応している。

「ふん。いいだろう、相手になってやる」

 そして終末の谷にて、戦いが始まった。

 +

「テンテン先輩って何が得意でしたっけ」
「忍具よ。そっちは?」
「えーとまあ、食遁とトラップ系ですね」

 ならいいわとテンテンは表情を引き締めた。マナの耳元に作戦を囁くと、マナも顔を引き締めて頷いた。二人してサンカとミソラから間合いを取る。マナが懐からワイヤーを取り出すと、テンテンも巻き物を取り出した。

「先ずは――これからいくぜっ!」

 煙り球をサンカとミソラの間に向かって投げる。両人の間で爆ぜた煙り球から紫の煙りがあふれ出た。これではマナもテンテンもサンカとミソラを見ることが出来ないが――見なくとも二人を攻撃する術はある。

「いけっ、苺大福!」

 マナの頭の上から飛び出した紅丸が一直線に煙りの中に突っ込んだ。サンカの悲鳴が上がり、戸惑ったミソラの声が聞える。煙りかゆっくりと消えていったその瞬間を狙って、テンテンがクナイを投じた。咄嗟に反応できないミソラの右肩にクナイが突き刺さり、ミソラは痛みに歯を食いしばりながら左手でそれを引き抜く。一方サンカが必死に引き剥がそうとしているのは右手の甲に噛み付いた紅丸だ。傷ついている場所をつくとは卑怯だが、しかし汚い手を使ってでも敵を倒し任務を完成させるのが忍びというものだ。

「っこのミジンコがぁ……! ミジンコの癖に生意気よ!」

 紅丸を引き剥がすのは諦める代わりに、残虐な笑みを浮かべながらサンカは石を持ち上げた。紅丸を石で潰すつもりだと、紅丸も悟ったのだろう。サンカの右手を離そうとするが、逆にサンカの手が紅丸の顎を掴み逃させない。

「クソッ、やめやがれ!」

 思わず駆け寄るマナの前にミソラが立ち塞がる。彼女が印を組んだ。

「青行燈流・百物語」

 ミソラの足元から何か巨大な腕のような脚のようなものが伸びてきた。黒い毛が生えたそれをクナイできりつけるも、それは次から次へと現れてくる。よく見ていてそれが巨大な蜘蛛の足だと、そう気付いた。視界の隅に石を振り上げるサンカが目に入る。
 ――苺大福が、しんじゃう
 その恐怖に目が潤んだ。
 キバから貰った子犬が。
 アタシの苺大福が。
 死んじゃう。殺されちゃう。壊されちゃう。

「――嫌だあああああッ!」

 テンテンが手裏剣を投げてサンカの左手やわき腹へと突き刺
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