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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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遅し、拳をぶつけてリーはその体を叩き落す。

「うあああッ!」

 茶髪の少年が振り下ろしてきた手刀を弾き飛ばし、僅かに距離を取ってから飛び蹴りを放つ。その少年はもう一人のポニーテールの少年を巻き込んで地面を削った。

「成る程? ――俺にこれを使わせるってか。いくぞクゥ」
「わかってるってば、カイ。雨降り流・雨乞い!」

 クゥ、と呼ばれた少年が印を組むのと同時に、雲ひとつない青空からぽつぽつと水滴が落ち始めた。いや、違う。ユヅルのチャクラ網によって囲われた部分にのみ雨が降っているのだ。黒雲がドームの内部のみに現れ、笑いながらカイがその上に飛び乗る。ぴかっと雷が迸った。

「俺達は雨降り小僧のクゥと、火の車のカイ――以後お見知りおきを!」

 雨を呼ぶ童――雨降り小僧と、雷雲を引きつれ死肉をあさる化け物、火の車。成る程二人はタッグを組むのには適している。

「……一つ聞いていいですか、ユヅルくん」
「……はい」
「どうしてあの、あそこのセミロングの子をチャクラ糸で操らなかったのですか」

 彼をチャクラ糸で操れば巻き物を奪うことは容易かったはずなのに、彼は敢えてチャクラ網でドーム状に谷を覆った。そうなることが彼を無防備にさせてしまうとしても。
 ユヅルは目を伏せてから、言った。

「俺の中のモノが、だめだって言ってるから」

 +

「さーて、俺様の名前はカイナで、こっちがケイなわけだけどさーあ」

 カイナ、というらしいセミロングの少年が首を傾げた。外ハネした茶髪のセミロング。きらきらと輝く目が、虚ろな目のケイと妙に対照的だ。

「大丈夫なの、そこの白目っ子少年。知ってるよ、君、白眼使いなんでしょ? かわいそーにねえ、体術って俺には通用しないんだよなあー」

 カイナが右腕を差し出す。その肌には茶色のまだら模様が浮いていた。

「俺ね、人を病気にさせちゃう化け物なんだ。疫鬼っつうんだけど。病田カイナ、よろしくねえ」
「俺……は。桂男のケイ……だ」

 虚無的な瞳をした少年はそう呟くように言って、にこりと笑った。弱弱しく漂うような笑顔だ。でもその虚無の奥に何か果てしないものを見つけた気がして、はじめは意図せずネジとの距離を縮めた。

 +

「二対二ずつになってるのね。丁度いいわ」
「――ふふ、マイト・ガイにシソ・ハッカ、だったか? 俺の名前は蓮助。こちらのは我が恋人、レミだ」

 鎖骨までの朽葉色の髪をかきあげてレミが笑い、胸骨までの朽葉色の髪を揺らして蓮助も笑った。ゴーグルのようなものをつけているためか、その目があまりよく見えない。

「さて――さっさとここから出してもらおうか」
「残念ながらそれは出来ないぞッ」

 居丈高に言い放った蓮助に拳を叩き込まん
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